坂路

坂路（はんろ）とは

坂路とは、競馬における傾斜のある走路で、主に競走馬の調教に用いられています。日本では、特に中央[[競馬]]のトレーニングセンターや民間の牧場など、さまざまな場所にこの坂路が設けられています。坂路の表面には、間伐材や木片が敷かれ、ウッドチップコースと同様の構造で舗装されることが一般的です。

競馬における坂路の導入と発展

日本における坂路コースは、1985年に栗東トレーニングセンターに最初に設置されました。この設置により、坂路を利用した調教のノウハウが確立し、栗東所属の競走馬たちが日本の競馬界を席巻する結果となりました。この現象は、坂路が持つダイナミックな効果や、馬の体力や持久力を高めるトレーニングに非常に有効であることを証明しています。

その後、1992年に美浦トレーニングセンターにも坂路が設けられました。ただし、美浦の坂路は栗東のものに比べると緩やかな傾斜であり、勾配の程度も小さいため、調教内容や馬に与える影響も異なります。

自動測定システムの導入

坂路調教のタイム計測に関しては、1990年に自動測定システム「ALIS」が導入され、バーコードのスキャンによる方式が採用されました。2011年からは、ICタグが用いられる方式に更新されています。このような技術の導入により、より正確なタイム計測が可能になり、調教の質が向上しています。

地方[[競馬]]における坂路の導入

さらに、地方[[競馬]]においても坂路が次々と設置されてきました。1999年には名古屋競馬の弥富トレーニングセンターに400メートル、最大高低差3.5メートルの坂路が完成しました。2000年11月には、兵庫県競馬組合が運営する園田・姫路競馬のために、勾配が2パーセントの250メートル級の坂路も導入されています。

2008年には栃木県那須塩原市に、勾配の平均が3.4パーセントの370メートル級の坂路が完成し、さらに大井競馬場を運営する特別区競馬組合も、小林トレーニングセンター内に勾配3パーセントの400メートル級のポリトラック坂路を設置しました。この坂路は、2010年3月から供用予定であり、大井所属以外の浦和、船橋、川崎所属の馬にも開放されることが決まっています。

北海道における坂路の設置

北海道競馬でも、2012年4月11日に門別競馬場に全長900メートルの屋内調教用坂路コースが完成し、同年5月14日に利用が開始されました。これにより、北海道地域においても坂路を利用した競走馬の育成が行われています。

このように、坂路は日本の競馬界において非常に重要な役割を果たしており、馬の成長やパフォーマンス向上に貢献しています。

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