坂部十寸穂

坂部十寸穂の生涯

坂部十寸穂（さかべ としお）は、1877年に高知県板野郡で生まれ、近代日本の歴史に名を刻む陸軍軍人です。彼は最終階級が陸軍中将であったことからもそのキャリアの長さと重要性を伺い知ることができます。

幼少期と養子

坂部の出生は徳島藩士・寺沢男也の三男として始まりましたが、6歳で父を失い、その後は母方の実家での生活が続きました。実家であった元徳島市長・坂部広織の家で育てられ、このことが後の人生に大きな影響を与えたでしょう。

陸軍士官学校への入学

将来の軍人を目指して、徳島中学校を卒業した坂部は、1895年に士官候補生としての道を歩み始めました。翌年には陸軍士官学校に入学し、1897年に陸軍士官学校（第9期）を卒業。これが坂部の軍人としての第一歩となりました。

初期の軍歴

卒業後、1898年に砲兵少尉に任官され、野砲兵第15連隊に配属されました。その後、1901年には陸軍砲工学校高等科を卒業し、教官としての職務を果たしました。彼は、1903年に陸軍大学校に入学しましたが、日露戦争の勃発により1904年に中退し、現場での戦闘に赴くことになります。

日露戦争とその後の経歴

1905年には第4軍の副官として出征し、戦争の激しい現場での経験を積みました。日露戦争後の1908年、坂部は砲兵少佐に昇進し、その後参謀本部員としても活躍しました。同年12月には教官としての職務に戻り、1914年から1916年にかけてロシア軍に従軍しました。

同時期に砲兵中佐に昇進した坂部は、1918年にはシベリア出兵に参加し、この任務によってさらにその名が知られるようになりました。

陸軍少将への昇進

1923年に陸軍少将に昇進した坂部は、陸軍大学校幹事として陸軍教育に貢献しました。1927年には野戦重砲兵第4旅団長に就任し、次の年には陸軍中将に昇進しました。

最後の日々

1930年には第3師団長に親補されましたが、同年11月に現職のまま旅立つこととなりました。坂部の生涯は、彼の軍人としての使命感や国家に対する誇りを示すものでした。

家族

坂部には弟がいて、心理学者としても知られる寺沢厳男がいます。

坂部十寸穂の生涯は、明治から昭和にかけての日本陸軍の歴史を体現しており、彼の功績は多方面にわたります。また、参考文献としては『日本陸海軍総合事典』や『日本陸軍将官辞典』などが挙げられ、彼の業績の一端を知る上で貴重な情報源です。坂部の人生は、困難な時代背景の中での日本の軍人としての姿を浮き彫りにしています。

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