均衡速度

均衡速度

均衡速度とは、鉄道車両において、動力車の駆動力がその速度における列車の走行抵抗と釣り合い、加速がゼロになった状態での速度を指します。

概要

モーターやエンジンなどを最大出力にして加速を試みても、ある速度に達すると駆動力が走行抵抗と均衡し、それ以上の速度上昇が見込めなくなることがあります。この状態、つまり加速が0になった時点の速度が均衡速度です。鉄道においては、線路の状態やその他の要因により、平坦な線路であっても車両の性能上の最高速度（許容最高速度）と均衡速度が必ずしも一致するとは限りません。

蒸気機関車の場合

蒸気機関車では、ピストンの往復運動の物理的な限界が最高速度に影響を与えます。動輪の直径の大きさによっても最高速度が制限されます。

電気車の場合

電気車においては、直流直巻電動機や直流複巻電動機といった整流子を持つ電動機が使用される場合、整流子の強度、歯車比、そして車輪径などが最高速度を制限する要因となります。

曲線線路における均衡速度

曲線線路においては、カント（線路の傾斜）によって、車両を内側に傾けようとする力と、車両の速度によって生じる遠心力が釣り合う速度が存在します。この速度を均衡速度と呼ぶことがあります。これは、乗り心地や安全性を考慮する上で重要な要素となります。

平坦線均衡速度

鉄道車両が平坦な線路（0‰勾配）を走行する際の均衡速度は、車両の性能を評価する上で重要な指標となります。

鉄道の最高速度#平坦線均衡速度も参照してください。

関連項目

最高速度
速度種別 - 上り10パーミル勾配での均衡速度を元に計算されます。

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