坪田義史

坪田義史氏は、1975年7月26日に神奈川県で生まれた、日本の映画監督であり脚本家です。
映像プロダクションであるサンディ株式会社に所属し、映画製作を中心に活動していますが、テレビ番組やVシネマ、さらには音楽プロモーションビデオやコマーシャルの企画・構成・演出も手掛けるなど、その活動範囲は多岐にわたります。

彼のキャリアは、多摩美術大学映像演劇学部在学中に制作した短編映画『でかいメガネ』から始まりました。この作品は、2000年のイメージフォーラム・フェスティバルで最高賞である大賞を受賞し、また第3回京都国際学生映画祭でも入選を果たすなど、学生時代からその才能が高く評価されていました。

2009年には、『美代子阿佐ヶ谷気分』で劇場長編映画監督としてデビューを飾ります。この作品は国内外で大きな注目を集めました。第39回ロッテルダム国際映画祭のコンペティション部門「VPROタイガー・アワード」に選出されたのを皮切りに、イタリアの第46回ペサロ映画祭では審査員特別賞を受賞。韓国のCinema Digital Seoul映画祭では、批評家連盟賞にあたるBlue Chameleon Awardと観客賞にあたるMovie Collage Awardをダブル受賞するという快挙を達成しました。さらに、ポルトガルの2011 FANTASPORTO映画祭でも特別賞と最優秀脚色賞をダブル受賞するなど、国際的な評価を確固たるものにしました。また、この作品で主演を務めた町田マリーは、第31回ヨコハマ映画祭で最優秀新人賞を、第19回日本映画プロフェッショナル大賞でも新人奨励賞を受賞しています。この成功を受け、『美代子阿佐ヶ谷気分』は、韓国ソウルの映画館CGVでも劇場公開されました。

2012年には、文化庁の在外芸術家派遣制度によりニューヨークで約一年間活動し、見聞を広げました。

その後の主な作品として、2016年2月にはリリー・フランキーが主演を務めた映画『シェル・コレクター』の監督・脚本を手掛けました。この作品は、テアトル新宿や桜坂劇場をはじめ、全国42カ所で公開されました。

最新作は、彼にとって初めての長編ドキュメンタリーとなる『だってしょうがないじゃない』です。この作品は、2019年に開催された釜山国際映画祭のWide Angle部門でワールドプレミアとして上映された後、同年11月よりポレポレ東中野でロードショー公開が始まり、その後も全国で順次公開されています。

以下に主な監督作品を挙げます。

でかいメガネ（2000年）
美代子阿佐ヶ谷気分（2009年）
シェル・コレクター（2016年）
だってしょうがないじゃない（2019年）

これらの作品は、数多くの海外映画祭にも出品されています。

『美代子阿佐ヶ谷気分』（英題：MIYOKO）
ロッテルダム国際映画祭タイガーアワードコンペション
ニューヨーク・ブルックリンBAM映画祭
ドイツ・フランクフルト映画祭ニッポンコネクション
台湾・台北金馬賞ファンタスティック映画祭
イタリア・第46回ペサロ映画祭 コンペ部門招待出品ヤング審査員特別賞受賞
Cinema Digital Seoul （韓国）コンペ部門
Two Riversides 映画祭（ポーランド）
ウラジオストック国際映画祭（ロシア）コンペ部門
ミドルイースト国際映画祭（アブダビ）
シッチェス国際映画祭（スペイン）
KINOTAYO FILM FESTIVAL（フランス）
Trans-Cool Tokyo展（シンガポール）
2011 FANTASPORTO映画祭（ポルトガル）コンペ部門

『シェル・コレクター』（英題：The Shell Collector）
第45回ロッテルダム国際映画祭Bright Future部門
ミュンヘン国際映画祭INTERNATIONAL INDEPENDENTS部門
ニューヨーク・JAPAN CUTS 2016
第20回プチョン国際ファンタスティック映画祭ワールド・ファンタスティック・シネマ部門

『だってしょうがないじゃない』（英題：What Can You Do about it)
* 釜山国際映画祭 Wide Angle部門ワールドプレミア上映作品

坪田義史監督は、一貫して独自の世界観を持つ作品を発表し続け、国内外で高い評価を得ている日本の重要な映像作家の一人です。

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