垢離

垢離（こり）とは

垢離とは、神仏に祈願する際に行われる冷水浴のことで、「水垢離（みずごり）」や「水行（すいぎょう）」とも呼ばれます。この行為は、単に身体を冷やすだけでなく、心身を清めるという宗教的な意味合いが強く込められています。

語源

「垢離」という言葉は、漢語には見当たらず、純粋な和語であると考えられています。このことからも、日本の土着の信仰に深く根ざした行為であることが伺えます。

概要

垢離は、神や仏に祈願する際や、神社仏閣に参詣する際に、冷水を浴びることで自身が犯した様々な罪や穢れを洗い落とし、心身を清浄にするための行為です。これは、神道における「禊（みそぎ）」と同じような意味合いを持っています。しかし、仏教、特に修験道においては、禊という言葉ではなく、水垢離として行われることが多いです。

修験道は、山岳信仰と仏教が習合した宗教であり、山中での修行を重視します。そのため、山中で行う水垢離は、厳しい自然環境の中で心身を鍛錬し、精神的な成長を促すための重要な儀式となっています。修験者は、滝に打たれたり、冷たい水に入ったりすることで、自己の限界に挑戦し、精神的な浄化を目指します。

垢離を行うことを「垢離を取る」または「垢離を掻く」と表現します。これらの言葉は、垢離が単なる行為ではなく、宗教的な意味を持つ重要な行であることを示しています。

垢離の具体的な方法

垢離の具体的な方法は、地域や宗派、個人の信念によって様々です。一般的な方法としては、以下のようなものがあります。

滝行: 滝に打たれることで、心身を浄化する方法です。修験道でよく行われます。
水浴び: 冷水を浴びることで、心身を清める方法です。神社や寺院で行われることがあります。
川に入る: 川に入り、身体を清める方法です。古くから行われている垢離の方法です。

これらの方法を行う際には、事前に神仏に祈りを捧げ、心身を清めた状態で行うことが重要です。

垢離を行う目的

垢離を行う主な目的は以下の通りです。

心身の浄化: 罪や穢れを洗い落とし、心身を清浄にする。
祈願成就: 神仏に祈願する際に、心身を清めることで、より祈りが届きやすくする。
精神修行: 厳しい環境の中で行うことで、精神的な成長を促す。

関連する言葉

禊（みそぎ）: 神道における浄化の儀式。垢離と似た意味を持つ。
寒修行（かんぎょう）: 冬の寒さの中で行う修行。垢離の一種として行われることもある。
願人（がんじん）: 神社仏閣に祈願する人。
沐浴（もくよく）: 体を洗い清めること。垢離と似た行為。

まとめ

垢離は、日本の伝統的な宗教儀式であり、心身を清めるための重要な行為です。神道や仏教、特に修験道において、その文化を深く理解するためには、垢離について知ることは非常に有益です。現代においても、心身の浄化や精神的な鍛錬のために、垢離を行う人は少なくありません。

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