垣内松三

垣内松三（かいとう まつぞう）

生涯

垣内松三は、1878年1月11日に岐阜県高山市で生まれました。旧姓は代情（よせ）といい、幼少期から学問に励みました。1903年に東京帝国大学国文科を卒業後、教育者としての道を歩み始めます。東京帝国大学講師、東京女子高等師範学校教授を歴任し、1919年にはヨーロッパへ外遊、1920年に東京高等師範学校講師、1924年に同教授に就任しました。その後、東洋大学教授としても教鞭を執り、後進の育成に尽力しました。

1952年8月25日にその生涯を閉じ、享年74歳でした。墓所は雑司ヶ谷霊園にあります。また、「まつみ」という筆名も用いていたことが知られています。

研究と業績

垣内松三は、国語教育学と国文学の研究において、多大な業績を残しました。特に、国語教育の理論と実践に関する研究は、当時の教育界に大きな影響を与えました。

著書には、国語教育に関する理論書や実践書、国文学に関する研究書など、多岐にわたる分野のものが存在します。これらの著書を通じて、国語教育の重要性を広く社会に訴え、国語教育の発展に大きく貢献しました。

著書

以下に、垣内松三の主な著書を挙げます。

『女子の玉づさ 習字兼用』 (1911年)
『石叫ばむ 国民生活』 (1919年)
『国語の力』 (1922年)
『国語教授の批判と内省』 (1927年)
『絵と文 作文学習』 (1928年)
『国文学体系』 (1930年)
『形象と理会 小学国語読本』 (1933年)
『国語教育の理論と実践』 (1933年)
『実践解釈学考』 (1933年)
『国語教育科学 独立講座』全5巻 (1934年)

共編著としては、以下のようなものがあります。

『現代文学』 (1921年)
『近代文学』 (1922年)
『国語読本文意の研究』 (1925年)
『国文鑒』 (1926年)
『読方教授の理論と実際 国語読本』 (1926年)
『現代文鑑』 (1928年)
『女子現代文鑑』 (1928年)
『赫映姫篇』 (1929年)
『兼好抄』(1929年)
『楠公父子篇』 (1929年)
『標準漢和辞典』 (1929年)
『秋成抄』 (1930年)
『清盛篇』(1930年)
『国文学書目集覧』 (1930年)
『俊寛篇』 (1930年)
『真淵抄』 (1930年)
『正徹本徒然草』 (1931年)
『文と絵の焦点 小学国語読本巻二学習指導』 (1933年)

これらの著書は、国語教育に関わる人々にとって、現在でも貴重な資料となっています。

参考文献

コトバンク：垣内松三とは
『日本近代文学大事典』講談社、1984年

関連項目

* 青山なを（東京女子大学の教え子）

結論

垣内松三は、日本の国語教育の発展に大きく貢献した教育者、研究者でした。その業績は、現代の国語教育にも大きな影響を与えています。

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