城井谷城

城井谷城の歴史

城井谷城（きいだにじょう）は、福岡県築上郡築上町寒田に位置していた日本の城であり、別名として萱切城とも呼ばれています。この城は1195年に源頼朝から豊前守護職を任された宇都宮信房によって築かれ、豊前宇都宮氏の居城として使われました。その後、宇都宮氏は城井氏と名を改め、城井谷城を拠点に豊前地域での権力を維持しました。

戦国時代の中で

時が経つにつれて、城井谷城は戦国時代に突入しました。その中で、城は周囲の大内氏、大友氏、島津氏などの勢力に影響されつつも、一度も攻め落とされることはありませんでした。このように、城井谷城は地元の防衛の要として存続を続けました。

1586年、豊臣秀吉の九州征伐が始まると、城井氏の当主である城井鎮房は秀吉に従う決断を迫られました。翌年、秀吉は鎮房に伊予国への移封を命じました。しかし、鎮房は父祖代々の地を守りたいという思いから抵抗を示し、黒田孝高が支配することになる豊前6郡への移封に対し、不穏な空気が漂いました。鎮房の心情を理解していた毛利勝信は、彼に一時城井谷城を離れるよう提案し、その後で秀吉への嘆願を行うことを勧めました。

鎮房は勝信のアドバイスに従い、城井谷城を明け渡すこととなりますが、その後、城井谷城を取り戻すために奪還作戦を決行しました。軍勢を籠城させて豊臣軍に立ち向かい、豊前最大の国人領主である城井氏の蜂起に呼応して豊前国人一揆も発生する事態となりました。

戦闘と和議

鎮房は地の利を活かし、ゲリラ戦術を駆使して攻めてきた黒田長政率いる豊臣軍を撃退しました。その後、和議を結ぶにあたり、本領安堵と13歳になる娘・鶴姫を人質にする条件を受け入れることになりました。1588年、鎮房は長政の招きで中津城へ向かった際、孝高の謀略により、酒宴の席で暗殺されてしまいます。

さらに、城下の合元寺に留め置かれた部下や、城井谷城の留守を守っていた鎮房の父・長房、家臣団も一掃され、鎮房の嫡男である朝房も肥後で暗殺されるといった悲劇に見舞われました。鶴姫も最終的に山国川の千本松河原で磔の刑にされるという忌まわしい運命を辿ることとなります。こうして、城井氏は大名としての地位を失い、城井谷城もその歴史に幕を閉じることになりました。

参考文献

• - 吉永正春『戦国九州の女たち』西日本新聞社、1997年
• - 吉永正春『九州戦国の武将たち』海鳥社、2000年

関連項目

• - 日本の城一覧

もう一度検索