城戸毅

城戸毅

城戸毅（きど たけし、1935年2月4日 - ）は、日本の西洋史学者であり、東京大学の名誉教授です。専門は中世イギリス史で、特に財政史や政治史に関する研究で知られています。

経歴

城戸毅は東京で生まれ、1958年に東京大学文学部西洋史学科を卒業しました。その後、東京大学大学院人文科学研究科に進み、西洋史学を専攻。大学院在学中にはイギリスに留学し、ロンドン大学で歴史学の博士号を取得しました。帰国後、東京大学人文科学研究科博士課程を単位取得満期退学。

学歴

成蹊高等学校卒業
1958年：東京大学文学部卒業（西洋史学）
1966年：ロンドン大学博士課程修了（歴史学）、東京大学人文科学研究科博士課程単位取得満期退学（西洋史学）

職歴

1967年：東京大学文学部助手（西洋史学）
1971年：東京大学文学部助教授（西洋史学）
1985年：東京大学文学部教授
1995年：東京大学定年退官、名誉教授。名古屋市立大学人文社会学部教授（西洋史）、名古屋市立大学人文社会学部初代学部長
2000年：名古屋市立大学退官、名誉教授。岐阜聖徳学園大学経済情報学部教授（国際関係事情）
2007年：岐阜聖徳学園大学定年退官

東京大学では文学部助手、助教授、教授を歴任し、西洋史学の研究と教育に尽力しました。1995年に東京大学を定年退官後は、名古屋市立大学人文社会学部の教授として教鞭を執り、初代学部長も務めました。その後、岐阜聖徳学園大学経済情報学部の教授となり、2007年に定年退官。

研究内容・業績

城戸毅の研究は、中世イギリスの政治、財政、社会構造に焦点を当てています。特に、『マグナ・カルタの世紀』や『中世イギリス財政史研究』などの著書は、中世イギリス史研究における重要な貢献として高く評価されています。また、百年戦争に関する研究も行っており、中世末期の英仏関係についても詳細な分析を加えています。

所属学会

史学会（1989年 - 1990年理事）
法制史学会
比較都市史研究会
イギリス王立歴史協会 (The Royal Historical Society)
The Historical Association
セルデン協会 (Selden Society)
アメリカ中世学会 (The Medieval Academy of America)

家族・親族

城戸毅は、学者一家に生まれ育ちました。父の城戸陽は日商の元監査役、妹の城戸喜子は慶應義塾大学商学部の教授です。祖父は海軍中将の増井敬次郎、叔父は海軍少将の城戸忠彦という家系です。義父は東京大学名誉教授で言語学者の高津春繁。

著書

単著

『マグナ・カルタの世紀――中世イギリスの政治と国制 1199-1307』、東京大学出版会、1980年
『中世イギリス財政史研究』、東京大学出版会、1994年
『百年戦争　中世末期の英仏関係』、刀水書房、2009年

訳書

J・B・モラル 『中世の刻印――西欧的伝統の基盤』（岩波新書 1972年）
* J・C・ホウルト 『中世イギリスの法と社会――J=C=ホウルト歴史学論集』（刀水書房 1993年）

城戸毅は、その長年の研究と教育活動を通じて、日本の西洋史学界に多大な貢献を果たしました。

もう一度検索