城戸芳彦

城戸芳彦とは

城戸芳彦（きど よしひこ、1900年12月20日 - 1973年6月18日）は、福岡県出身の日本の著名な弁護士であり、後に最高裁判所判事として活躍しました。彼の法曹界でのキャリアは、著作権に関する専門知識と実績に支えられており、特に音楽著作権の分野でその名を馳せました。

学歴と初期のキャリア

城戸は1924年に日本大学商科を卒業しました。その後、法律評論社に就職しましたが、サラリーマン生活に対する不満から、同年12月に高等文官試験の司法科を受けて合格。この結果、彼は弁護士としての道を歩むことになり、1925年には弁護士業務を開始しました。弁護士としての初期のキャリアでは、著作権に強い興味を抱き、その後多くの団体に法律顧問として関与しました。

著作権法への貢献

城戸は、大日本作曲家協会の法律顧問に就任して、戦後の1947年から1963年まで日本音楽著作権協会の法律顧問としても活動しました。1950年には著作権法の改訂に際し、城戸試案という重要な提案をまとめ、1951年には「著作権法研究と音楽著作権」というテーマで法学博士の学位を取得しました。彼の業績は、特に音楽著作権の法整備に大きな影響を与えました。

最高裁判所判事への道

1963年5月、最高裁判所の空席に対し、当時の中垣國男法務大臣が城戸の就任を決定しました。しかし、同年6月に横田喜三郎最高裁長官が急遽会議を召集し、城戸がある政治家の紛争代理人として活動したことを問題視しました。このため中垣大臣は再考を求めることになりましたが、結局、政府側は彼の活動を正当なものと認め、城戸は同年6月6日に最高裁判所判事に就任しました。

定年退官と最期

城戸は1970年に定年退官し、その後は静かな生活を送っていましたが、1973年6月18日に東京・文京区本郷の自宅で腸がんにより72歳でこの世を去りました。彼の法曹界における足跡は、後の世代に引き継がれ、著作権の法律専門家としての地位を確立した重要な人物として語り継がれています。

参考文献

• - 野村二郎『最高裁全裁判官：人と判決』三省堂、1986年。
• - 野村二郎『日本の裁判史を読む事典』自由国民社、2004年。

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