埴原和郎

埴原 和郎（はにはら かずろう）

埴原和郎は、1927年8月17日に福岡県北九州市に生まれた日本を代表する自然人類学者です。東京大学名誉教授および国際日本文化研究センター名誉教授として活躍しました。彼は1958年に理学博士号を取得し、以後の研究活動において日本人の人類学的特性を深く探求しました。

経歴

埴原は明星中学校を卒業後、旧制成蹊高等学校を経て東京大学理学部人類学科に進学します。その後、同大学の大学院（旧制）を修了し、1958年に学位論文『日本人及び日米混血児乳歯の研究』を提出して理学博士号を取得します。彼の学問の道はこの論文から始まりました。

1958年、埴原は札幌医科大学法医学教室の助教授に就任し、その後1972年には東京大学理学部人類学教室の教授に就任します。1984年から1985年までの間、東京大学総合研究資料館の館長も務めました。1987年には国際日本文化研究センターの教授としても活動し、1993年までこの地位を保ちながら、東京大学教授も兼任するなど、学問の発展に寄与しました。1988年には定年退官し、以降も多くの関連機関で顧問や理事として活躍しました。

埴原は2004年10月10日に、肺がんにより京都市で亡くなるまで、日本の人類学の研究に情熱を注ぎ続けました。

受賞・栄典

彼の生涯において、埴原は多くの名誉を受けました。具体的には、2004年に叙正四位、瑞宝中綬章を授与されています。彼の業績に対する評価は非常に高く、日本国内外で広く認知されています。

研究内容・業績

埴原の専門は自然人類学であり、特に日本人に関する「二重構造モデル」の提唱が彼の主要な研究成果の一つです。このモデルは、日本人が持つ文化的な側面と生物学的な側面がいかに交差し、互いに影響を与えるかを説明するものとして、多くの学者に影響を与えました。

埴原コレクション

彼が勤務していた東京大学総合研究資料館には、「埴原コレクション」として多くの貴重な資料が収蔵されています。具体的には、(1) 6000点以上の歯牙石膏印象コレクション、(2) 現代日本人頭骨計測データなどが含まれ、研究者たちにとって貴重な資源となっています。

家族・親族

埴原の家族にも著名な人物がいます。彼の息子である埴原恒彦は解剖学者であり、北里大学医学部の教授を務めています。また、彼の伯父である埴原正直は外交官として活躍し、外務事務次官や駐アメリカ大使を務めた経歴を持っています。

著作

埴原の研究は多くの著作としてまとめられています。彼の研究成果や見解は、大学や研究機関での基盤となり、後進の研究者たちに大きな影響を与えています。

廃原和郎は、彼の学問的功績により日本の自然人類学の発展に寄与した著名な人物であり、その影響は今もなお多くの場所で感じられています。

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