埴原正直

埴原 正直

埴原正直（はにはら まさなお、1876年8月25日 - 1934年12月20日）は、日本の外交界で重要な役割を果たした外交官です。彼は、外務次官や駐アメリカ大使などを歴任し、特にワシントン会議での全権委員としてその名を知られています。

生い立ちと教育

埴原は山梨県中巨摩郡源村（現在の南アルプス市）に生まれました。1880年代後半に東京専門学校（今の早稲田大学）で学び、その後1887年に東洋経済新報社に入社しました。彼のビジョンは、国際関係についての理解を深めることであり、日本最初の外交専門誌『外交時報』を創刊しました。

外交官としてのキャリア

1898年に外務省に入省した埴原は、清国にあるアモイ領事館での補佐を皮切りに昇進を重ねていきました。彼は、その外交手腕により、1919年には外務次官に昇格し、さらに1922年には駐アメリカ大使に任命されました。特に彼は、米国の日本人移民に関する調査を行い、その実態を外務大臣に報告しましたが、それが機密文書として封印されるほどの衝撃内容でした。

ワシントン会議と外交的挑戦

埴原は、海軍大臣の加藤友三郎や駐アメリカ大使の幣原喜重郎とともにワシントン会議での全権委員として重要な役割を果たしました。しかし、1924年に排日移民法案に対する抗議書簡がアメリカ社会で問題化します。彼が発した「深刻な結果」という表現が対米恫喝として取り上げられ、その結果、アメリカ議会は法案に賛成する動きを見せました。当時の外交界では、彼はその小柄な姿から「リトル・ハニー」と呼ばれることもありました。

帰国と晩年

埴原は1927年に外務省を退官し、その後も外交の道を歩む中で日本とアメリカのより良い関係構築に努めました。彼の生前、特に1924年のパリオリンピックでは、アメリカに住んでいた内藤克俊を日本代表に加えるよう進言したと言われています。

栄典と受賞

埴原は外交活動の中で数々の勲章を受章しています。1928年1月16日には正三位が授与され、さらに1918年に旭日中綬章を受章しました。また、外部からも多くの名誉を受け、1923年にはローマ教皇庁からサンシルペストル勲章グランクロアを授与されました。

まとめ

埴原正直はまだ現代においてもその業績が語り継がれている外交官であり、日本とアメリカの関係の基盤を築いた存在です。彼の努力と実績は、日本の外交史において重要な位置を占めています。

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