基本計画

基本計画（きほんけいかく）

基本計画とは、政策や事業における基本的な方針と、その具体的な内容、プログラムを定めるものです。建築や都市開発などの分野では、基本構想を受けて、具体的な事業を実施するための指針となります。基本計画は、事業の目的、内容、実施方法などを明確にし、具体的な設計や事業の進行を円滑に進めるための重要な役割を担います。

基本計画の主な内容

基本計画では、以下の内容が検討されます。

立地条件や課題の整理: 事業対象となる敷地や地区の特性を把握し、具体的な課題や条件を整理します。
具体的な対応策や発想: 課題や条件を踏まえ、具体的な対応策や新しい発想を示します。
事業概念の確定: 事業の目的、内容、規模などを明確にし、事業概念を確定します。
代替案の検討: 必要に応じて、複数の代替案を検討し、最適な案を選択します。
ボリューム検討: 建築物や施設の規模や配置を検討します。
諸手続きフローの確認: 事業実施に必要な各種手続きの流れを確認します。
事業費概算: 事業に必要な費用を概算します。

これらの検討を通じて、事業実施のための具体的な青写真を作成し、その後の詳細な設計の指針とします。

マスタープランとの関係

基本計画は、マスタープラン（master plan）とも呼ばれます。特に、建築・都市行政政策においては、市町村などの自治体が作成する都市計画マスタープランが、住環境基本計画や景観計画などの基礎となります。

都市計画マスタープランは、良好な市街地環境の形成、維持、保全などを実施するための基本的な方針を示すものです。具体的な空間計画においては、土地利用や施設計画の骨格形成、各種規制などの全体指針を定め、全体を統括する図面や報告書、諸ルールを示します。設計段階では、このマスタープランに従って詳細な検討を進めていきます。

基本計画の重要性

基本計画は、事業の初期段階において、具体的な方向性を定めるために不可欠です。基本計画をしっかりと作成することで、事業の目的を明確にし、関係者間の共通認識を形成することができます。また、事業の効率的な実施を促進し、最終的な成果物の質を高めることにもつながります。

関連用語

総合計画: 国や地方自治体が定める、社会全体に関する長期的な計画。
都市計画: 都市の健全な発展と秩序ある整備を図るための計画。

参考文献

都市計画ハンドブック、都市計画協会
都市・建築・不動産企画開発マニュアル、エクスナレッジ
都市計画用語事典、都市計画用語研究会　3訂　ぎょうせい　2004年

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