基満男

基満男：野球人生の軌跡

基満男氏（1946年11月10日生まれ）は、兵庫県神戸市出身の元プロ野球選手である。内野手として活躍し、西鉄ライオンズ（太平洋クラブライオンズ、クラウンライターライオンズを経て）、横浜大洋ホエールズで18年間のプロ生活を送った。その後は指導者、解説者として野球界に貢献し、現在も少年野球教室で指導にあたっている。

少年時代からプロ入りまで

少年時代はサッカーに打ち込んでいた基氏だが、中学3年時に担任教師の勧めで野球を始め、報徳学園高校に進学。高校時代は二塁手のレギュラーとして活躍し、1964年の選抜高等学校野球大会に出場した経験を持つ。同期には後にプロ野球選手となる選手もいた。高校卒業後は駒澤大学に進学するも、1年で中退。地元神戸に戻り、篠崎倉庫に就職するも、報徳学園時代の先輩を通じて西鉄ライオンズからスカウトを受け、プロ野球選手への道を歩むこととなる。阪神タイガースからも入団テストを受けたものの、西鉄ライオンズを選んだ。

西鉄ライオンズ時代：黄金時代と黒い霧事件

1967年、西鉄ライオンズに入団。遊撃手と二塁手を兼任し、すぐに頭角を現した。入団当初から技術向上に励み、自ら授業料を払って指導を受けるなど、努力を惜しまない選手だった。1968年には規定打席に到達、1969年には打率.295の高打率を残すなど、パ・リーグを代表する二塁手として活躍した。

1970年には、野球史上に大きな影を落とした「黒い霧事件」に巻き込まれるも、八百長への関与を潔く否定したことで、出場停止処分を免れ「戒告処分」にとどまった。

1972年には打率.301、20本塁打、25盗塁と活躍し、ベストナインに初選出。1973年にはプロ野球通算3万号本塁打を記録した（後に記録訂正）。

1970年代後半には、ポジション争いやトレード交渉なども経験した。トレードが成立しかけたものの、相手選手の引退を示唆する発言で頓挫するなど、波乱もあった。しかし、持ち前の野球センスと努力で、常にレギュラーの座を射止めてきた。

横浜大洋ホエールズ時代と引退

1978年オフには、西武ライオンズから横浜大洋ホエールズに移籍。セ・リーグに移籍したことで巨人戦の中継が増え、福岡のファンにも自分のプレーを見てもらえる機会が増えたことが移籍の決め手となった。

1979年には三塁手も兼任し、1980年には自己最高の打率.314を記録、ベストナインとダイヤモンドグラブ賞を受賞した。

1983年には若手選手の高木豊の台頭もあり、出場機会が減少。1984年限りで現役を引退した。

引退後

引退後は、大洋、日本ハムで二軍コーチを務め、その後はテレビ神奈川、RKB毎日放送、TVQ九州放送などで野球解説者として活躍。現在は福岡市で少年少女のバッティング教室の講師を務めている。

基満男の野球技術

基氏といえば、独特の守備技術「ウッドペッカー」が有名である。これは、グラブにボールを入れ、拳で叩き上げることで、二塁手から遊撃手への送球をスムーズに行う技術。この技術は、太平洋クラブライオンズ時代の同僚、真弓明信氏からも高く評価されている。素早い送球は、遊撃手の負担を軽減し、ダブルプレー成立の確率を上げた。

まとめ

基満男氏は、選手として、指導者として、解説者として、長きにわたり野球界に貢献してきた。努力家として知られる基氏の野球人生は、多くの野球ファンに感動と勇気を与え続けている。その技術、そして野球人としての姿勢は、後世の選手たちにも大きな影響を与え続けていると言えるだろう。

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