基督心宗教団

基督心宗教団について

基督心宗教団（きりすとしんしゅうきょうだん）は、日本で活動する独自のキリスト教信仰を持つ宗教法人です。この団体は川合秀雄が代表を務め、川合信水（1867年-1962年）によって提唱された内容に基づいています。基督心宗は、特定の宗派に属さず、独立した教会としての特徴を持っており、日本独特のキリスト教的理解を示しています。

歴史的背景

基督心宗の歴史は、1918年（大正7年）にさかのぼります。この年、川合は学生修道院を設立しました。実は川合は1909年（明治42年）、京都府の郡是製糸株式会から招かれて、教育部を創立した過去があります。この影響を受け、1915年には社訓「完全訓」を制定し、教育に尽力しました。この過程で川合は長年にわたり押川方義に教えを受け、40年にわたる信仰の道を探求しました。

1927年（昭和2年）、彼は「耶蘇基督讃」を著し、基督心宗を正式に創立しました。この宗教団体は、西洋から伝わってきたキリスト教に対する満足を求めず、完全な信仰を目指し、経済的にも独立した伝道を展開し始めます。1932年（昭和7年）には、基督心宗東京教会が設立され、続く1939年には六大誓願が発表されました。

1941年（昭和16年）には日本独立基督教会同盟会に参加し、日本基督教団の10部に属しましたが、1948年（昭和23年）に離脱し、正式に基督心宗教団と改称しました。同年には、富士吉田市に基督心宗の総本山となる不二山荘を設立しました。現在、この団体は機関紙『基督の心』を隔月で発行しています。

特徴と信仰

基督心宗教団の信仰は、東洋的な瞑想や悟りの思想と、キリスト教的な理解を融合させた独特なものです。この団体の教義では、キリストの心を修めることが重視され、信者は神に仕え、人を愛し、様々な業を遂行することを念願としています。

また、基督心宗はキリスト教と儒教を結びつけた独特の思想体系を展開しており、しばしばプロテスタントキリスト教の一派として分類されています。1960年代の調査によれば、世界的には約3,000人の信者がいるとされています。

批判と評価

しかし、この団体は批判的な視点からも語られています。東京基督教大学の国際宣教センターによる2017年の調査レポートでは、基督心宗教団を「教義上または信仰の実践上、一般的なキリスト教またはその一派と見なすことが困難なグループ」として挙げています。同様に、イエス之御霊教団や復元イエス・キリスト教団などと同じく、その立場を位置付けています。

参考文献

• - 大塚栄三『郡是の川合信水先生』1931年
• - 川合秀雄『日本キリスト教歴史大事典』教文館、1988年
• - 高橋昌郎『明治のキリスト教』吉川弘文館、2003年

基督心宗教団は、日本の信仰界において独自の位置を占めており、今後もその教えと実践が注目されることでしょう。

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