基礎

基礎の概要

基礎は建物や構造物の重要な要素であり、その主な役割は上部構造から受けた鉛直荷重や水平荷重を地盤に安全に伝達することです。一般に基礎は地面に対して構造物の安定性を確保するために必要不可欠な部分です。基礎工事はその名の通り、基礎を設置するための施工を行う工事で、具体的な方法は基礎工法と呼ばれています。

基礎の主な形式

基礎にはさまざまな種類があり、地盤の条件や構造物の性質によって適切なタイプが選ばれます。

1. 直接基礎

直接基礎は比較的浅い支持地盤の上に設置される基礎です。具体的には、以下の二つのタイプがあります。

• - べた基礎：コンクリートのスラブを基盤とするもので、広い面積で支えることで荷重を均等に分散させます。
• - フーチング基礎（布基礎）：基礎の底面を広くすることで、構造物から受ける荷重をより効果的に分散します。英語の「footing」に由来します。

2. 杭基礎

杭基礎は、支持地盤が10メートルから100メートルの深さにある場合に多用されるタイプです。その設置方法には次の2つがあり、それぞれ特性があります。

• - 既製杭：工場で製作した杭を用い、規格化された品質で設置します。比較的低コストに抑えられるのが特徴です。
• - 場所打ち杭：地面を削孔して鉄筋かごを入れ、そこにコンクリートを打設する方法で、騒音や振動の防止が求められる場合に使用されます。

3. ケーソン基礎

ケーソン基礎は、広い接地面が必要な場所や地下水位が高い場合に用いられる基礎で、鉄筋コンクリート製の筒を継ぎ足しながら支持地盤に沈めて設置します。様々な形状が選べるため、応用が効きます。

4. 鋼管矢板基礎

この基礎は鋼管を連結して形成し、その内側を掘削していくことで構造物と一体化させます。施工時には止水壁としての機能も果たします。

5. 地下連続壁基礎

地下連続壁基礎は、鉄筋コンクリートの壁が基礎を構成することから、その剛性が高いという特性を持っています。

6. 木構造に用いる基礎

住宅などの木構造では、布基礎や独立基礎が主に利用されます。地盤の補強や整地を目的とした地業を行った後、基礎を施します。

• - 布基礎：幅が12cm以上必要で、床下に土台を設置します。
• - 独立基礎：大きな荷重がかかる場所に用いられ、特に柱の下に設置されることが多いです。

これら基礎の選定は、地盤条件や構造物の性質、施工条件を考慮しながら行われます。

基礎に関する歴史的な例

基礎はその特性ゆえに、重要な出来事にも関与します。例えば、1925年に日本の国会議事堂が火災に見舞われた際、基礎部分が無傷であったため、既存の基礎を利用してわずか3ヶ月で建物が再建されるという例があります。これは基礎の耐久性とその役割の重要性を示すものです。

このように、基礎はただ単に構造物を支えるだけでなく、その安全性や再生可能性にも寄与しています。

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