基礎代謝

基礎代謝

基礎代謝（きそたいしゃ、英: Basal Metabolic Rate、BMR）とは、安静時において、体が基本的な生命活動を維持するために必要なエネルギー量を指します。このエネルギーは、生理的な活動によって自動的に消費され、成長期を過ぎて代謝が安定した成人の女性では約1,200キロカロリー、男性では約1,500キロカロリーと考えられています。

基礎代謝の成分

基礎代謝におけるエネルギー消費の主な内訳は、肝臓が27%、脳が19%、筋肉が18%であり、これらの器官が全体の60%以上のエネルギーを使用します。このことからも、基礎代謝が体内の各器官の機能にどれほど重要であるかが理解できます。

基礎代謝基準値

基礎代謝基準値は、体重1キログラムあたりの基礎代謝量（kcal）を示す数値です。これは体の代謝状態や体重に合わせた適切なエネルギー量を把握するために役立ちます。

推定エネルギー必要量

成人の日常の活動に必要なエネルギー量は、基礎代謝量の1.5倍から2倍程度とされています。この値は、個々の身体活動レベルによって変動し、詳細な必要量を把握するには専門の栄養学の観点からの評価が重要です。

基礎代謝量の計算式

基礎代謝量を求めるための計算式はいくつか存在します。

1. 国立健康・栄養研究所の推定式

日本人の健康な成人においての妥当性の高い推定式は以下の通りです。

• - 男性: (0.0481 × W + 0.0234 × H - 0.0138 × A - 0.4235) × 1000 / 4.186
• - 女性: (0.0481 × W + 0.0234 × H - 0.0138 × A - 0.9708) × 1000 / 4.186

（Wは体重（kg）、Hは身長（cm）、Aは年齢（歳））

2. ハリス-ベネディクトの式

1919年に提唱されたこの推定式は、広く用いられている基礎代謝の計算式です。

• - 男性: 18-29歳の場合、(64.4 × W - 113.0 × H/100 + 3000) / 4.186
• - 女性: 18-29歳の場合、(55.6 × W + 1397.4 × H/100 + 148) / 4.186

（他の年齢層に関しても同様の計算式が存在します）。

まとめ

基礎代謝は、人間の生活において重要な役割を果たすエネルギーの消費状態を示しています。年齢、性別、体重、身長などによって多くの要因が影響を及ぼしますが、これらの式を用いることで個々の基礎代謝量を算出し、適切な栄養管理が可能となります。特に、健康を維持し、適正な体重を保つためには、自身の基礎代謝量を理解することが重要です。

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