基隆要塞

基隆要塞の歴史と役割

基隆要塞（きいるんようさい）は、台湾の北部に位置する基隆港を守るために設けられた日本軍の要塞です。この要塞は、台湾防衛の要として重要な役割を果たしました。基隆は、艦船修理や軍需物資の供給、さらには南方への進出を視野に入れた重要な拠点であり、ゆえにその防衛のための要塞が築かれました。

概要

基隆要塞の建設は1900年に始まり、最初の砲台である外木山砲台が着工されました。1905年6月までに、10の砲台や堡塁が完成し、同年の5月には基隆要塞司令部が設置されました。しかし、1920年には要塞の兵備が縮小され、運用が減少しました。

その後、太平洋戦争が迫る1941年9月、要塞部隊の動員が行われ、基隆重砲兵連隊が「基隆要塞重砲兵連隊」と改称されました。1944年の台湾沖航空戦では、要塞の対空部隊が敵の空襲に応戦しましたが、資源や人員に大きな損失を被りました。

戦局が厳しさを増す中、1945年1月には独立混成第76旅団の指揮のもと、基隆要塞が再編成されました。独立混成第76旅団は、砲兵隊のほかに独立歩兵大隊を編成し、港湾の防御を強化しつつ、戦闘の準備を進めました。

年譜

基隆要塞の建設経緯を振り返ると、以下の重要な出来事が挙げられます。

• - 1900年: 外木山砲台の着工。
• - 1903年: 基隆要塞司令部が設置され、事務を開始。
• - 1905年: 要塞が整備され、複数の砲台が完成。
• - 1941年: 要塞部隊の動員と臨時編成。
• - 1945年: 要塞司令部の復帰と独立混成第76旅団の活動開始。

主要な施設

基隆要塞には以下の標識される施設がありました。

• - 外木山砲台: 後に火砲が高雄に移設。
• - 白米甕砲台: 基隆の防衛において重要。
• - 万人頭堡塁: 要塞整理により予備砲台に転用。
• - 牛稠嶺砲台: 基隆地域の防御に寄与。

歴代司令官

基隆要塞には気鋭の司令官が数多く在任しました。初代司令官は野間駉少将であり、1903年からその職を務めました。その後、数多くの司令官が基隆要塞を率いていきました。

まとめ

基隆要塞は、戦時において台灣防衛の中心的な役割を果たしました。1945年の戦後、独立混成第76旅団がその任務を引き継ぎ、基隆の防御を継続しました。台湾の歴史を語る上で、基隆要塞は欠かせない存在と言えるでしょう。

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