基隆港

基隆港の概要

基隆港（キールンこう）は、中華民国の基隆市に位置する台湾の第2位の港であり、2004年時点で世界第39位の取扱量を誇ります。この港は台湾北部の天然良港をもとに発展し、現在では海運の中継港として、国内内航航路と組み合わせた物流ネットワークを形成しています。主に海上コンテナを取り扱い、混載貨物も補助的に扱われています。近年では観光産業との複合的な発展を目指しており、2001年には「基隆港管理委員会」が設立され、港の運営、開発に取り組んでいます。

港湾環境と設備

基隆港の歴史は17世紀にさかのぼります。当初、スペイン人によって調査が進められ、一部建設が行われましたが、清朝時代には西洋列強の進出に伴い港の発展が加速しました。そして1886年、基隆港は正式に貿易港として開放されました。日本による統治時代には、1899年から1935年にかけて4期にわたる大規模な築港工事が行われ、港湾内部の暗礁が取り除かれ、さまざまな施設が整備されました。この工事により、基隆港は台湾の重要な港湾としての基礎を築くこととなりました。

1941年に太平洋戦争が勃発すると、基隆港は物資輸送や海軍基地として重要な役割を果たしましたが、戦後には米軍の攻撃にさらされ、港湾施設は大きな被害を受けました。その後、1945年に設立された港務局によって、埠頭や防波堤などの施設が徐々に再建されていきました。

発展の枠組み

1953年以降は、徐々に新しい埠頭が建設され、1961年から74年にかけて内港の改築に着手しました。その後、1974年から81年までの間には外港の拡張作業が進められ、隣接する港湾区域や高速道路が整備されました。1982年から92年にかけては、コンテナ輸送の時代を迎え、基隆港はコンテナ埠頭の改築や増設を進め、1984年には世界第7位のコンテナ港としての地位を確立しました。

現在、基隆港の埠頭は、18から57まで増加し、さらなる成長を続けています。

運行航路と新たな展望

基隆港は地理的に有利なため、日本統治時代には地域の軍港都市としての地位を確立しましたが、戦後も民間資本による復興が続きました。現在では、中華民国海軍の船舶が港を利用しており、新たに日本や東南アジアとの水上交通の中継地としての新たな港湾開発も計画されています。

基隆新港計画

基隆駅からは臨港線が伸びており、貨物ふ頭への臨港貨物線も敷設されています。これにより、貨物船からの鉄道車両の搬入が可能となり、輸入鉄道車両の取り扱いにも利用されています。

基隆港は、今後さらなる発展が期待される港湾であり、さまざまな分野との協力が進むことで、地域の経済にも大きな影響を与えることでしょう。

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