埼玉大橋

埼玉大橋の概要と歴史

埼玉大橋（さいたまおおはし）は、埼玉県加須市麦倉と佐波の間に架かる橋であり、利根川（新川通）を横断しています。この橋は埼玉県道46号加須北川辺線に属し、763メートルの長さを持つ1等橋です。最大支間は80メートルであり、全幅員は10.20メートル、車両の通行のための有効幅員は9.00メートルです。1972年に開通し、1989年には無料で通行できるようになりました。埼玉大橋は構造形式としてPC箱桁ラーメン橋が採用されています。

歴史的背景

江戸時代以降、利根川の改修工事が行われたことにより、麦倉村（現在の加須市麦倉）と佐波村（現在の加須市佐波）との間には交通の不便さが生じました。1621年には新川通が開削されましたが、この工事により地域は陸の孤島のような状態となりました。そのため、地元住民は下流側の利根川橋を利用するか、大越渡船に頼って移動を強いられました。

こうした状況を改善するために、埼玉大橋の建設が計画されました。橋の建設には約9億3000万円の工費が掛かり、開通当初は有料橋という形態をとっていました。しかし、開通当初の渡船は、すぐに廃止されることになりました。

現在の状況と安全性

埼玉大橋には、上流側と下流側に歩道が設置されていますが、幅が1メートルと狭いため、通行する際には十分な注意が必要です。特に、車道との間には段差が設けられているため、歩行者にとって危険な状態が続いていました。これに伴い、歩道の拡幅や自転車通行帯の設置が検討され、2014年には歩道の表面を削り取る工事が行われました。段差をなくすために赤いラバーポールが設置されたものの、歩道の幅自体は変更されていないのが現状です。

周辺環境と交通

埼玉大橋から上流側には約12キロメートルにわたり一般道路の橋がなく、車両通行において不便が生じていました。このため、埼玉大橋は地域住民にとって重要な交通手段の一つとなっています。

隣接する橋としては、利根川橋梁（東武伊勢崎線）や、利根川橋（東北自動車道）、埼玉大橋を挟んで利根川橋梁（東武日光線）や利根川橋梁（東北本線）があります。これらの橋と並んで埼玉大橋は地域の交通網の一部として利用され続けています。

参考文献と関連項目

埼玉大橋に関連する文献では、大利根町の教育委員会による『大利根町史 通史編』や、角川日本地名大辞典が参考にされています。また、埼玉県道路公社の情報や、無料開放された道路の一覧にも言及されています。橋の近くには道の駅童謡のふる里おおとねがあり、旧料金所はそこに位置しています。

埼玉大橋は、地域の交通の便を大いに改善する役割を果たし、現在でも多くの人々に利用されている重要なインフラです。

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