埼玉県立図書館

埼玉県立図書館：歴史と変遷、そして現在

埼玉県立図書館は、埼玉県民の知的な探究を支える重要な役割を担う公立図書館です。長い歴史と幾度かの変遷を経て、現在の3館体制に至るまで、その歩みは埼玉県の文化発展と深く関わっています。

設立から現代までの軌跡

埼玉県立図書館の起源は、1922年（大正11年）に設立された埼玉県教育会立埼玉図書館に遡ります。その後、埼玉県立埼玉図書館と改称され、1925年には現在地に移転。1933年には図書館令改正により埼玉県中央図書館となり、1951年には「埼玉県立図書館設置条例」の制定により、現在の名称となりました。

設立当初からの蔵書数は着実に増加し、1960年には新館が落成、蔵書数は13万冊を超えました。1970年には、熊谷図書館が開設され、1975年には川越図書館、1980年には久喜図書館が開設されました。それぞれの図書館は、地域住民のニーズに応えるべく、様々なサービスを提供してきました。

2003年には、各図書館が専門分野を特化しました。浦和図書館は社会科学・産業系、久喜図書館は人文・科学・理工学・芸術系、熊谷図書館は歴史・郷土資料・哲学系へとそれぞれ特化。効率的な蔵書管理と、より専門性の高いサービスの提供を目指しました。同年、川越図書館は閉館しています。

2012年には、北部拠点複合施設への統合新設計画が発表されました。この計画の一環として、2015年に浦和図書館が閉館されましたが、久喜図書館の閉館については、久喜市の反対運動により計画は頓挫しました。

この計画変更に伴い、図書館機能の維持のため、2015年に熊谷図書館浦和分室が埼玉県立文書館内に設置されました。2023年には、「新埼玉県立図書館基本構想」が策定され、図書館の将来像が改めて描かれつつあります。

現在の埼玉県立図書館

現在、埼玉県立図書館は熊谷図書館、久喜図書館、そして熊谷図書館浦和分室の3館で構成されています。それぞれの図書館は、専門分野を特化することで、より質の高いサービスを提供しています。

熊谷図書館は、歴史・郷土資料、哲学などに重点を置いた貴重な資料を収集しています。久喜図書館は、人文科学、科学、理工学、芸術などの分野を網羅しています。熊谷図書館浦和分室は、埼玉県立文書館に併設されており、歴史資料へのアクセスも容易です。

これらの図書館では、図書や雑誌の貸出・閲覧の他に、レファレンスサービス、資料の複写サービス、インターネット閲覧サービスなども提供しています。また、埼玉県内の他の図書館との相互貸借制度にも対応し、県民の読書活動を広く支援しています。

今後の展望

「新埼玉県立図書館基本構想」に基づき、埼玉県立図書館は、デジタル化への対応、地域住民との連携強化、そして新たなサービスの開発など、様々な課題に取り組んでいます。これからも、埼玉県の文化・教育の発展に貢献していくために、進化を続けていくことでしょう。

資料

埼玉県立図書館公式ウェブサイト
埼玉県立図書館年報
* 埼玉県立図書館関連資料

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