埼玉県立本庄高等学校

埼玉県立本庄高等学校は、埼玉県本庄市柏に所在する男女共学の高等学校です。通称は「本高」（ほんこう）として親しまれています。

沿革

本校は、1922年（大正11年）4月8日に埼玉県本庄中学校として開校しました。これは、浦和、熊谷、川越、春日部といった旧制中学ナンバースクールの設立に続くもので、官立（公立）の旧制中学校としては埼玉県で五番目の設置でした。

第二次世界大戦後の学制改革に伴い、1948年（昭和23年）4月1日には埼玉県立本庄高等学校へと移行しました。同年9月1日には定時制課程が設けられ、教育の機会を広げました。

1950年（昭和25年）7月1日には、旧制本庄高等女学校を前身とする県立本庄女子高等学校と統合し、男女共学校となりました。

近年では、埼玉県の高等学校後期再編整備計画に基づき、2013年（平成25年）3月31日をもって埼玉県立本庄北高等学校と統合されました。そして同年4月1日からは、統合を経た新たな埼玉県立本庄高等学校として、進学を重視した単位制高等学校として再スタートを切っています。

創立の節目においては、2002年（平成14年）11月22日に80周年を、2012年（平成24年）には90周年を記念する式典や行事が行われました。

教育

教育組織と目標

本校には全日制と定時制があり、いずれも普通科が設置されています。

教育目標として「自主自律の精神を育み、知・徳・体の調和のとれた教育をおこなう」ことを掲げています。目指す学校像は「活力ある進学校」であり、個性を尊重し、将来世界で活躍できる人材の育成を目指しています。自主・自律の精神を重んじ、勉学と部活動の両立（文武両道）を推奨する校風です。県内でも有数の広さを誇るキャンパスは、充実した学校生活を送るための良好な学習環境を提供しています。

カリキュラムと進学指導

進学重視型単位制高校として、多様な進路希望に対応できるよう、本校独自の科目を数多く設定しています。特に「探究〜」と冠する科目は、大学受験に役立つ深い学びを提供することを目指しています。

授業は週に34時間実施されており、月曜日と水曜日は7限授業、隔週の土曜日（第2・第4土曜日）には公開授業としての登校日を設けています。

進学指導の特色としては、「国公立・難関私大クラス」という正式名称の特進クラスがあります。このクラスは、指定校推薦やAO入試といった推薦系入試ではなく、一般選抜での大学合格を主な目標としています。本校の特進クラスでは、学業だけでなく、部活動や学校行事、委員会活動、生徒会活動などにも積極的に参加できる機会が設けられています。

また、都内に本部を置く「早稲田予備校」から経験豊富な講師を招き、「スーパー講義」を実施しています。これは、第1・第3土曜日や長期休業期間中に年間約20日間行われる、大学受験対策に特化した講義です。

特進クラスの生徒を対象とした学習合宿も実施されており、筑波大学のキャンパスや国立女性教育会館などを利用しています。さらに、特進クラスの保護者向け説明会が年に2～3回開催され、学校と家庭が連携して生徒の進路実現をサポートしています。

2017年卒業生の進路状況では、大学へ77％（241名）、専門学校へ18％（54名）が進学しています。

埼玉県内には、本校の他に不動岡高校、県立浦和高校、豊岡高校が進学重視型単位制高校として位置づけられています。

研究指定事業・国際交流

本校は様々な研究指定を受け、特色ある教育活動を展開しています。

- 進学力グレードアップ推進事業: 3年間（平成23〜25年度）にわたり、大学入試センター試験における主要3科目（英語、数学、国語）の得点向上を目指しました。
- 未来を拓く「学び」推進事業: 3年間（平成24〜26年度）実施され、東京大学と連携し、次世代の学習スタイルである「協調学習」の研究を進める県のプロジェクトに参画しました。
- ボランティア・プロジェクト: 東日本大震災からの復興を支援するための活動に取り組んでいます。
- サイエンスアカデミー: 理科教育を振興するため、県内の大学や研究施設と連携し、生徒の学びを深める活動を行っています。

国の指定では、5年間（平成24年度から）「外部検定による英語能力調査」が実施され、全学年を対象に、リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの4技能における英語能力の向上度を測定しています。

国際交流活動として、オーストラリアのエッセンドンキーローカレッジ（Essendon Keilor College）と相互交流を行っています。

学校生活

制服は、男子は詰め襟の学生服、女子はセーラー服を採用しています。女子のセーラー服はエンジ色のスカーフを中央で結ぶデザインです。昭和40年代後半から平成24年度までは服装の自由が認められていましたが、平成25年度からは全学年で制服着用となっています。

主な学校行事には、新入生歓迎ハイク、球技大会、文化祭と体育祭を合わせて実施する「柏樹祭」、2年次の修学旅行、マラソン大会などがあります。

クラブ活動

生徒は運動部、文化部問わず、様々なクラブ活動に参加し、文武両道の実践を図っています。

運動部

- 卓球部
- 弓道部
- 剣道部
- 硬式野球部
- 男子サッカー部
- 女子サッカー部
- 男子バレーボール部
- 男子バスケットボール部
- 女子バスケットボール部
- 男子硬式テニス部
- 女子硬式テニス部
- 男子軟式テニス部
- 女子軟式テニス部
- 女子ソフトテニス部
- 陸上競技部
- 体操部
- ワンダーフォーゲル部

文化部

- 吹奏楽部
- 演劇部
- 地学部
- 美術部
- 書道部
- 茶道部
- 生物部
- English部
- 新聞部
- 考古学部

施設・設備

本校の広大な敷地には、学習活動をサポートする多様な施設が整備されています。主な校舎は、ホームルーム棟、管理棟、特別教室棟、そして平成25年度から使用されているセミナー棟で構成されています。セミナー棟は、1階に図書館、2階にセミナー室兼大ホールを備えています。

その他にも、4階建ての新館普通教室棟、体育館、武道館、メイングラウンドとサブグラウンド、8面のテニスコート、プール、部活動用の部室棟、合宿所、食堂などがあります。

近年、施設の改修も進められています。平成24年度にはホームルーム棟のリニューアルとセミナー棟が竣工し、平成25年度には特別教室棟や合宿棟などの内装工事が行われました。平成26年度には管理棟のリニューアル工事が実施されています。

交通アクセス

最寄りの駅はJR高崎線本庄駅で、駅から徒歩約15分でアクセス可能です。

著名な出身者

多分野で活躍する多くの卒業生を輩出しています。

- 松本鶴雄（文芸評論家）
- 船戸安之（作家）
- 関口芙沙恵（小説家）
- 小林哲也（熊谷市長）
- 小島進（前埼玉県議会議員、深谷市長）
- 和地仁美（元東大和市議会議員、東大和市長）
- 中林美恵子（早稲田大学教授、政治学）
- 福島義久（慶應義塾大学教授、経済学）
- ジード飯島（聖飢魔II 2代目ドラマー）
- 白根ゆたんぽ（イラストレーター）
- 古今亭志ん丸 (3代目) （落語家）
- 藤原敬典（総合格闘家）
- 川上葉月（フルート奏者）

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