堀井拓馬

堀井拓馬（ほりい たくま）は、1987年2月17日に東京都で生まれた、日本のホラー作家です。現在も出身地である東京都を拠点に創作活動を行っています。

経歴と人物像

堀井氏は東京都立豊多摩高等学校を卒業後、文京学院大学人間学部心理学科で専門的な学びを深めました。大学で培った心理学の知識は、作家としての彼の視点や作風に深く影響を与えていると考えられています。

作家としてのキャリアは、角川書店が主催する権威ある文学賞、第18回日本ホラー小説大賞において、長編部門で投稿作「なまづま」が見事受賞したことから始まりました。この受賞は、堀井氏にとって記念すべきデビュー作となり、新たなホラー文学の担い手として注目を集めました。

デビュー作である「なまづま」は、日本ホラー小説大賞での高い評価に加え、「第3回SXNミステリー 闘うベストテン」でも第5位に選出されるなど、ホラーというジャンルを超えてミステリーとしても読者に受け入れられ、その完成度の高さを示しました。

近年、堀井拓馬氏は活動の幅を精力的に広げています。特に、文芸誌『早稲田文学』への作品寄稿は、ホラー作家としての枠にとどまらない、純文学的なアプローチや多様なテーマへの挑戦をうかがわせるものであり、今後のさらなる飛躍を期待させるものとなっています。

主な作品

堀井拓馬氏がこれまでに発表した主な作品は以下の通りです。

書籍（単著）

なまづま
角川ホラー文庫、2011年10月刊行。
第18回日本ホラー小説大賞長編賞受賞、作家デビュー作。
夜波の鳴く夏
角川ホラー文庫、2012年8月刊行。
臨界シンドローム 不条心理カウンセラー・雪丸十門診療奇談
角川ホラー文庫、2017年9月刊行。
わたしを呪ったアレ殺し
角川ホラー文庫、2025年2月刊行予定。

アンソロジー収録作品

複数の作家による作品集（アンソロジー）にも、堀井氏の短編が収録されています。

『ゆびさき怪談 一四〇字の怖い話』（PHP文芸文庫、2021年7月）
「赤と黒の絵」「白樹病」「音楽室」「ばあばの絵」「腕の芽」など、複数の短編が収められています。
『1話ごとに近づく恐怖百物語2』日本児童文学者協会編（文溪堂、2023年2月）
「ぺらぺらさん」が収録されています。

雑誌掲載作品

文芸誌『早稲田文学』に寄稿された作品です。

いつかさよならに良い日まで（『早稲田文学』229号 2014年冬号掲載）
最愛でないあなたへ（『早稲田文学』231号 2015年春号掲載）
あまりに春で悲しい獣（『早稲田文学』235号 2016年夏号掲載）

これらの作品を通じて、堀井拓馬氏は現代ホラー文学の領域で独自の存在感を確立しており、その緻密な心理描写と独特の世界観で多くの読者を魅了しています。今後の創作活動からも目が離せない作家の一人と言えるでしょう。

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