堀切実

堀切実:近世文学、特に俳句研究の第一人者



堀切実(ほりきり みのる, 1934年1月13日-)は、日本の国文学者であり、近世文学、とりわけ俳文学、そして松尾芭蕉や井原西鶴に関する研究で知られています。早稲田大学名誉教授の称号を持ち、日本の俳句研究に多大な貢献を果たした第一人者として、その名を広く知られています。

生涯と学問への貢献



東京都出身の堀切氏は、1957年に早稲田大学第一文学部国文科を卒業後、東京都立高校の教員を経て、1961年には早稲田大学大学院文学研究科に進学。その後、1969年に修士課程を修了しました。フェリス女学院大学での講師、助[[教授]]を経て、1981年には早稲田大学教育学部助[[教授]]に就任、1983年には教授に昇進。1984年には「蕉風俳論の研究 支考を中心に」という学位論文早稲田大学より文学博士号を取得しました。2003年に定年退職、名誉教授となりました。

その間、堀切氏は数多くの論文や著書を発表し、日本の俳句研究に多大なる貢献をしました。彼の研究は、芭蕉とその周辺の俳人、俳句の表現方法、そして俳句の歴史にまで及びます。特に、芭蕉の代表作『おくのほそ道』に関する研究は高く評価されており、現代の俳句への影響にも目を向けた研究も積極的に行っています。2017年には、現代俳句大賞を受賞するなど、その功績は高く評価されています。同年、瑞宝小綬章を受章しています。

著書と業績



堀切氏の著作は多岐に渡り、いずれも日本の近世文学、特に俳句研究において重要な役割を果たしています。代表的な著書には、『支考年譜考証』『蕉風俳論の研究 支考を中心に』『表現としての俳諧 芭蕉・蕪村・一茶』『俳道 芭蕉から芭蕉へ』『芭蕉の門人』『『おくのほそ道』をよむ』『おくのほそ道 永遠の文学空間』『芭蕉の音風景 俳諧表現史へ向けて』『読みかえられる西鶴』『芭蕉と俳諧史の展開』『俳聖芭蕉と俳魔支考』『『おくのほそ道』時空間の夢』『偽装の商法 西鶴と現代社会』『最短詩型表現史の構想 発句から俳句へ』『現代俳句にいきる芭蕉 虚子・波郷から兜太・重信まで』などがあります。これらの著書は、芭蕉研究のみならず、近世俳句の全体像を理解する上で欠かせないものとなっています。

さらに、堀切氏は多くの編著書や、古典作品の校訂にも携わっています。例えば、『蕉門名家句選』『増補俳諧歳時記栞草』『新編日本古典文学全集 88 俳論集』『芭蕉俳文集』『日本永代蔵 現代語訳付き』『鶉衣』『諸注評釈新芭蕉俳句大成』などの校注・翻訳・編著を通して、古典作品の現代への橋渡しにも貢献しています。

教育者としての貢献



堀切氏は、早稲田大学において長年にわたって教育に携わり、多くの弟子を育成しました。彼から薫陶を受けた研究者の中には、現在も第一線で活躍する俳句研究者も多くいます。後進の育成にも尽力し、日本の俳句研究の未来を担う人材育成にも大きく貢献しています。

まとめ



堀切実氏は、日本の近世文学、特に俳句研究において、その類まれな業績により、大きな足跡を残した国文学者です。その著作は、現代の俳句研究においても重要な参考文献として活用され、日本の俳句文化の発展に大きく貢献しています。彼の研究は、今後も日本の文学研究に大きな影響を与え続け、日本の俳句研究の礎となるでしょう。

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