堀江卓

堀江卓：時代を駆け抜けた漫画家の軌跡

堀江卓（1925年3月14日 - 2007年2月8日）は、山口県下関市出身の日本の漫画家です。太平洋戦争に従軍後、日立製作所での勤務を経て、漫画家への道を志しました。

デビューと初期の活躍

1955年に上京し、翌年、芳文社の『痛快ブック』で「俺は藤吉郎だ」を発表しデビュー。同誌で時代物の短編を発表する中、1957年に掲載された「飛燕一刀流」に登場する“つばくろ頭巾”が人気を博し、西部劇の要素を取り入れた『つばくろ頭巾』の連載が開始されました。白馬に乗り拳銃を操る侍という斬新な設定は読者を魅了し、堀江卓は一躍人気作家となります。

『矢車剣之助』とSF的要素

同時期に光文社の『少年』で連載を開始した『矢車剣之助』は、堀江卓の代表作の一つです。大岡越前守配下の少年剣士・矢車剣之助が、夜の帝王として活躍する物語は、無限の弾数を持つ二丁拳銃や、敵の城が巨大戦車に変形するなど、SF的な要素が盛り込まれ、子供たちの間で爆発的な人気を博しました。

多岐にわたる作品群

その後も堀江卓は、『ハンマー・キット』、『ブルージェット』、『少年ハリマオ』、『天馬天平』、『隠密剣士』、『赤い風車』、『スパイキャッチャーJ3』など、様々なジャンルの作品を精力的に発表しました。少年漫画にとどまらず、青年誌にも進出し、劇画にも挑戦しています。

学習漫画への取り組み

1980年代からは、学習漫画の分野にも進出し、『オオカミ王ロボ シートン動物記』をはじめとする名作や伝記、歴史漫画を数多く手がけました。子供向けの作品以外に『まんがでわかる刑法』など一般向けの作品も手掛けています。1996年まで現役の漫画家として活躍し続けました。

晩年と家族

2007年2月8日、81歳で逝去。息子は俳優の堀江信介です。

作品の特徴と影響

堀江卓の作品は、時代劇、SF、冒険活劇など、多様なジャンルにまたがっています。大胆な発想と奇抜な設定、スピード感あふれるアクションシーンが特徴で、子供たちを中心に多くのファンを魅了しました。手塚治虫や横山光輝らと並び、昭和の漫画界を代表する一人として、その功績は高く評価されています。

主な作品リスト

おれは藤吉郎だ
つばくろ頭巾
矢車剣之助
天馬天平
ハンマー・キット
隠密剣士
赤い風車
スパイキャッチャーJ3
オオカミ王ロボ シートン動物記
その他多数

外部リンク

* 丑年にちなんだ西部劇マンガ『黒い野牛』 忍者がアメリカ先住民のリーダーに！？

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