堀江新池

堀江新池

堀江新池（ほりえしんいけ）は、愛媛県松山市堀江町に位置する、豊かな水を湛えるため池です。その貯水量は12万立方メートルに達し、2010年には農林水産省の「ため池百選」にも選定されました。

歴史

新池が築造される以前、堀江村では権現川や郷谷川などの河川から灌漑用水を引いていましたが、水不足による旱魃が頻発していました。この状況を打開するため、1832年（天保3年）に当時の庄屋であった門屋一郎次が、権現川に大規模なため池を築造することを村民や松山藩に訴えました。その結果、村民が総出で工事に取り組み、1835年（天保6年）に3年の歳月をかけて、当時としては藩内最大規模のため池が完成しました。

掘削された土は、新池の東側に位置する花見山の一部になったと伝えられています。この池の完成により、堀江村は長年の水不足から解放され、農業生産の安定化に大きく貢献しました。

親水公園としての整備

2005年（平成17年）には、堰堤の補強と周辺の環境整備が行われ、2009年（平成21年）には「堀江新池親水公園」として生まれ変わりました。池の周囲約1kmは遊歩道として整備され、市民の憩いの場となっています。春には、近隣のミウラート・ヴィレッジの桜を一望できる絶好のスポットとしても知られています。

特徴的な構造

堀江新池は、松山市内でも最大級の規模を誇るため池であり、暴風雨の際に発生する波による堤体の損傷を防ぐため、池の中央部に堰堤が途中で途切れているという珍しい構造をしています。この構造は「波止場」と呼ばれており、波の勢いを弱める役割を果たしています。波止場の先端には、浮御堂を模した展望場が設けられ、池の景色を眺めることができます。

地域との連携

地元の小学校、PTA、公民館などが連携し、農業体験などを通じた農業や親水の学校と農村文化の融合事業が行われています。子供たちが農業に触れ、自然を大切にする心を育む場となっています。

アクセス

道路：愛媛県道347号平田北条線権現入口交差点
公共交通機関：予讃線堀江駅

関連情報

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