堀豊彦 (政治学者)

堀 豊彦の生涯と業績

堀豊彦（ほりとよひこ）は、1899年9月24日に山口県赤間に生まれました。彼は村田豊作とナリの三男として成長しますが、1912年に母方の姓の堀を名乗るようになります。彼の学問の道は、幼少期からのキリスト教の影響を強く受けており、1913年には鹿児島のバプテスト教会で青木澄十郎から洗礼を受けました。教育においては、鹿児島県立第二鹿児島中学校および第七高等学校造士館を経て、1924年に東京帝国大学法学部を卒業します。

卒業後の1926年には、イギリスのオックスフォード大学とドイツに留学し、1929年には帰国を果たします。この年から台北帝国大学教授としてのキャリアが始まり、1942年には九州帝国大学の教授に就任します。戦後は東京大学法学部の教授として、1986年に亡くなるまで約60年近くにわたり教育に身を捧げました。1960年には東京大学を定年退官後、早稲田大学政治経済学部の専任講師となり、その後も客員教授として活動を続けました。

彼の学問的功績は非常に多岐にわたり、特に政治学の分野での研究が評価されています。彼は教育者であると同時に、キリスト教徒としての信念にも深く根ざしており、1951年にはキリスト者平和の会の会員となり、複数回にわたり委員長を務めました。また、1952年から1975年まで東京大学キリスト教青年会（YMCA）の理事長としても活動し、日本基督教団武蔵野教会の会員でもありました。

亡くなる1986年4月9日までの間、堀豊彦は多磨霊園に眠っています。彼の墓は22-1-84番地に位置します。その生涯を通じて、彼は日本における政治学の発展に大きく寄与し、後進に多くの実績を残しました。

主な著作と業績

堀豊彦の学問は彼の著作にも表れています。1936年には『国家目的論の考察』を出版し、1942年には『中世紀の政治学』を発表しました。その後も1950年に『国家主権の絶対性』を、1952年から1954年にかけて『政治学原論』を著すなど、政治学の基本的な概念を掘り下げていきます。彼の書作は、教育機関で使用される標準テキストにもなり、後の世代に影響を与えました。

さらに、堀は共編著や翻訳も行っており、特にイギリスの政治思想に関する資料の翻訳が評価されています。グーチやデイヴィッドスン、バーカーらの著作を日本語に訳し、その内容を広めることに尽力しました。彼の翻訳作品は、イギリスの政治思想史を理解するための重要な資料となり、学習用資料としても多く利用されています。

堀豊彦が残した成果は、ただの学問的業績にとどまらず、彼の信念や教育に対する情熱に裏打ちされたものであり、彼の影響は今もなお続いています。

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