塚本光男

塚本 光男（つかもと みつお）

1952年（昭和27年）6月25日生まれ、2018年（平成30年）11月24日没。日本の政界において、特に地方行政の舞台で活躍した人物であり、茨城県取手市の第10代公選市長を務めました。

経歴と人物像

茨城県に生を受けた塚本光男氏は、学業においては千葉商科大学商経学部で学び、1975年3月にその課程を修了しました。卒業後、同年4月には株式会社明光商会に入社し、社会人としての第一歩を踏み出します。

しかし、わずか一年後の1976年4月には、地元である取手市の役所に入庁し、公務員としての道を歩み始めます。市役所では、市民税課、納税課といった税務関連の部署をはじめ、人事課にて組織運営に関わり、さらには茨城県企画調整課への派遣研修を通じて広範な行政経験を積みました。都市計画課でまちづくりに携わり、取手市立図書館での勤務経験もあるなど、そのキャリアは多岐にわたります。これらの豊富な実務経験は、後の政治活動において強固な基盤となったと言えるでしょう。

政治活動

長年の市役所勤務を経て、塚本氏は取手市長選挙への出馬を決意し、見事に当選を果たします。これにより、公選制移行後第10代の取手市長として、市政運営の重責を担うこととなりました。市長在任中は、これまでの行政経験を活かし、市民生活の向上やまちの発展に尽力したと考えられます。

一期務めた後、2007年の市長選挙で再選を目指しましたが、藤井信吾氏に敗れる結果となり、惜しまれつつも市長職から退きました。これにより、政治家としての公職キャリアは一期で幕を閉じました。

公職引退後の活動と晩年

市長退任後、塚本氏の公的な活動に関する詳細な記録は限られていますが、彼は市役所職員としての経験に加え、多方面で要職を歴任しています。

例えば、取手市商工会の事務局長を務め、地域経済の振興に貢献しました。また、労働組合運動にも深く関わり、日本労働組合総連合会（連合）茨城県南地域協議会の議長、全日本自治団体労働組合（自治労）茨城県本部県南ブロックの議長、そして取手市職員組合の執行委員長など、労働者の地位向上や権利擁護のために尽力しました。その他にも、取手・北相馬地区センターの理事長や、全日本自治団体労働組合茨城県本部の執行委員、茨城県労働金庫の理事、中央労働金庫茨城地区本部の地区運営理事といった役職を務め、その活動範囲は地域社会、労働界、金融分野にまで及びました。

晩年は、2013年頃から膵臓癌を患い、病との厳しい闘病生活を送っていました。そして、2018年11月24日、享年66歳でこの世を去りました。その死後、これまでの功績が認められ、正六位の位階が叙せられるとともに、旭日双光章が追贈されました。これは、長年にわたる公務や社会活動への貢献が高く評価された証と言えるでしょう。

塚本光男氏は、地方行政の現場で培った豊富な経験と、多様な組織でのリーダーシップを通じて、地域社会の発展に尽くした人物でした。彼の生涯は、公職への奉仕と幅広い社会貢献に捧げられたものと言えます。

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