塩トマト

塩トマトとは

塩トマトは、特定の品種名ではなく、熊本県八代地域をはじめとする、土壌塩分濃度の高い干拓地などで栽培されるトマトの総称です。これらの地域では、土壌の塩分濃度が高いため、トマトの根から十分な水分を吸収することが難しくなります。その結果、実は大きく育たない代わりに、糖分が凝縮され、非常に甘いトマトが育ちます。

一般の大玉トマトの糖度が5度から6度程度であるのに対し、塩トマトは8度から10度にも達します。この高い糖度が、塩トマトの大きな魅力となっています。かつては、その小ぶりさから規格外品として扱われ、市場に出回ることはほとんどありませんでした。しかし、1995年頃からその美味しさが知られるようになり、人気が高まって、現在では高級品として高値で取引されています。

[熊本県]]だけでなく、2011年の東日本大震災で津波被害を受けた農地でも、塩害に強い作物として注目され、東北地方での栽培も試みられています。また、2021年10月7日には、農林水産省の地理的表示]保護制度に「くまもと塩[[トマト」として登録され、その品質が公的に認められました。

栽培の特徴

塩トマトの収穫時期は11月から5月頃で、3月がピークとなります。栽培地域が限られているため希少価値が高く、贈答用としても人気があります。

一般的に塩トマトは普通のトマトよりも小ぶりですが、栽培されている品種は、タキイ種苗株式会社が1981年に開発した大玉品種「桃太郎」と同じです。栽培方法によって、その特徴が大きく変化しています。

通常のフルーツトマトは、水やりを極力控えるなどして糖度を高めますが、塩トマトは、海水のミネラル分を多く含む土壌で栽培されることにより、甘みと酸味がバランスよく調和した独特の味わいを生み出しています。

主なブランド

塩トマトには、いくつかのブランドが存在し、それぞれに特徴があります。

太陽の子 セレブ: 糖度8度以上のものが選ばれています。
太陽の子 ロイヤルセレブ: 光センサー糖度計で糖度10度以上のもののみが選ばれた、希少なブランドです。生産量は塩トマト全体の1%程度で、大きさによっては1玉500円ほどの値がつくこともあります。
ほなみchan: 女優の鈴木保奈美さんが自身のInstagramで紹介したことで話題になりました。

関連情報

塩トマトに関連する情報として、以下のものがあげられます。

アイスプラント: 表面に塩の結晶のようなものが付着する植物で、塩トマトと同じく塩分濃度の高い土地で栽培されることがあります。
徳谷トマト: 高知県で栽培されるブランドトマトで、塩トマトと同様に高糖度です。
九十九里海っ子ねぎ: 千葉県九十九里浜周辺で栽培されるネギで、海風の影響を受けて甘みが増すといわれています。

参考情報

JAやつしろ
農林水産省[地理的表示]保護制度「くまもと塩トマト」登録情報

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