塩入松三郎

塩入松三郎 - 土壌学の権威

塩入松三郎（しおいり まつさぶろう、1889年11月12日 - 1962年10月1日）は、著名な土壌学者として知られ、東京大学名誉教授としてその名を広めました。彼は土壌学と肥料学の分野において多くの業績を残し、水田土壌、畑土壌化学、休閑期の土壌乾燥効果などの研究で特に顕著な貢献をしています。

略歴

塩入は長野県上水内郡水内村に生まれ、酒造業を営む家庭に育ちました。教育の初めは旧制上田中学を経て、1911年に第二高等学校の二部乙類を卒業しました。その後、1914年には東京帝国大学の農芸科学科を卒業し、農商務省農事試験場へ勤務を始めました。1922年には農芸化学部長に就任し、1926年からは1年間にわたりイギリス、アメリカ、フランス、ドイツに留学し、国際的な視野を広げました。

1942年には、論文「土壌及肥料の無機主成分の微量定量法に就て」により、東京帝国大学から農学博士の学位を取得しました。1957年にはその功績が認められて文化功労者に選ばれ、滋賀県立農業短期大学の初代学長に就任するなど、教育界でも大きな役割を果たしました。

学術賞

塩入松三郎はその業績により、数多くの学術賞を受賞しています。その一つが1937年に授与された農学賞で、研究内容は「土壌膠質および造岩鉱物の微量分析法」に関するものでした。さらに1944年には技術院賞を、「水田の老朽化およびその改良に関する研究」で受賞し、その後1945年には学士院賞（伯爵鹿島萩麿記念賞）を「水田の化学的研究」により獲得しています。

これらの業績は彼の専門知識や分析能力を証明するものであり、学術界において彼の存在が如何に重要であったかを物語っています。

主著

塩入の主著として挙げられるのは「土壌学研究」であり、ここでは彼の土壌学に対するアプローチや独自の見解が示されています。この書籍は、土壌の化学的特性や肥料の効果、土壌改良の方法論に関する深い洞察を提供し、他の研究者や実務者に対する重要な参考資料となっています。

参考文献

彼に関する詳細な情報は、以下の参考文献に記されています。

• - 宝月圭吾編 『長野県風土記』 旺文社、1986年
• - 『長野県歴史人物大事典』 郷土出版社、1989年

塩入松三郎の生涯と業績は、土壌学のみならず、広く農業科学における重要な基盤を築いた偉大なものとなっています。

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