塩谷惟広

塩谷 惟広について

塩谷惟広（しおのや これひろ）は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて、下野国塩谷郡で活動した武将です。彼は喜連川塩谷氏の初代として知られており、その系譜にはいくつかの異なる見解が存在しています。

沿革の謎

塩谷惟広は、源姓塩谷氏に属し、塩谷惟頼の孫とされています。彼の父は次男の塩谷正義で、兄には塩谷朝義がいます。一方で、別の系譜である秋田塩谷系譜によれば、彼は塩谷惟純の次男ということになっており、正義と朝義は彼の兄にあたる惟頼の子供となっています。このため、各系譜における惟広の位置づけには大きな食い違いがありますが、彼を喜連川塩谷氏の初代とする点では意見が一致しています。

源平合戦での活躍

惟広は、源平合戦、特に治承・寿永の乱において源氏側で戦い、元暦元年（1184年）2月に行われた一ノ谷の戦いおよび文治元年（1185年）2月の屋島の戦いにおいて、彼は著しい戦功を上げました。この功績により、彼は塩谷荘に三千町の領地を与えられ、大蔵ヶ崎城を築いて自身の居城としました。彼の戦略的な決断と勇敢な行動は、彼が名を馳せる理由の一つです。

奥州藤原氏の征伐

その後、文治5年（1189年）には奥州藤原氏の征伐にも参加し、ここで従五位下の安房守としての官職を賜りました。このように、惟広は時代の重要な戦役に数多く関与し、武将としての地位を確立しました。

惟広の死

惟広がいつ亡くなったのかは明確にはわかっていませんが、史料である『吾妻鏡』には、建保元年（1213年）5月2日に彼の息子である塩谷三郎惟守が和田義盛に味方して討死したという記録があります。このことから、惟広はこの出来事の前に亡くなっていたと考えられています。

伝承と文化的遺産

惟広に関連する文化的な遺産として、彼が勧請して建立したとされる木幡神社があります。このような伝承は、地域の歴史や信仰に深く根ざしており、彼の足跡をたどる手がかりとなっています。

参考文献

• - 『矢板市史』
• - 『喜連川町史』
• - 『堀江記、岡本記』（矢板市郷土文化研究会）

このように、塩谷惟広は平安末期から鎌倉初頭にかけての重要な武将であり、彼の業績や影響は、後世にわたって語り継がれています。

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