塩釜港

塩釜港について

塩釜港（しおがまこう）は、宮城県塩竈市にある港で、松島湾内に位置します。この港は、港湾法に基づいて定義される「仙台塩釜港」の一部であり、特に「仙台塩釜港塩釜港区」として知られています。漁港区域はこの区域には含まれていないものの、港則法上での港区も同様の名称で呼ばれ、国際拠点港湾にも指定されています。

歴史

塩釜港の歴史は古く、奈良時代から平安時代にかけては、陸奥国の国府と鎮守府の多賀城の外港の一つとして機能していたとされています。特に平安時代においては、著名な歌枕としても知られていました。多賀城に近い内陸部の香津町は、元々の国府の港を意味する「国府津」として特定されることが考えられ、歌や風景が詞に詠まれることも多かったのです。

中世になると、塩釜港は「千賀ノ浦」として知られるようになり、この地域には鹽竈神社の門前町が栄えていました。仙台湾側には、七北田川の河口に存在した湊浜があり、同港と联携して多賀城の外港としての役割を果たしていました。

江戸時代、寛文年間に舟入堀が開削されたことにより、港への船荷は減少し、塩竈の商業活動は衰退の一途を辿ります。しかし、仙台藩の藩主・伊達綱村が商人からの荷物をこちら経由とするよう義務付けた結果、塩釜港は再び賑わいを見せることになりました。この時期、遊郭の移転により塩釜は花街としても一躍有名になりました。

明治時代になると、塩釜港は特権を失い、野蒜築港に注力する政府政策により港湾機能は低下しました。しかし、1882年からは埋め立て作業が行われ、港湾設備が整えられました。1886年には日本鉄道が南側を埋め立てて港湾整備を開始し、1887年に塩釜駅が開業しました。

1910年には塩釜港が第二種港湾に指定され、以降は定期的に商船が運航されるようになりました。1920年代には、より大型の船舶が入港可能となり、県内外の交通の要所としての地位を確立します。また、戦後の経済発展に伴い、商港に加えて工業港と漁港の機能も強化されていきました。

1971年には新たに仙台港が開港したことで、塩釜港の役割は変わりつつあり、2001年には新名称「仙台塩釜港塩釜港区」とされました。2011年には大震災の影響を受けましたが、周囲の松島の地形により比較的被害は少なかったとされています。

施設

現在、塩釜港には大型の旅客ターミナル「マリンゲート塩釜」があり、観光船や地域の汽船が発着する拠点となっています。また、東北地域の海上保安庁の主要な拠点も設けられています。

塩釜漁港

塩釜漁港は特定第3種漁港として、塩釜港とは異なるが隣接して存在します。この漁港は日本で最も高いマグロの漁獲量を誇り、沿岸には魚肉練り製品を製造する工場が集まり、全国最大の生産量を支えています。

周辺環境

毎年、塩竈市で開催される「塩竈みなと祭り」は、地元の文化を体験できる魅力的なイベントです。また、この地域では長年にわたり造船業が栄えており、歴史的な造船工場も運営されています。

塩釜港はその歴史的な背景だけでなく、漁業や観光といった多面的な側面を持つ地域の重要な拠点となっており、今後の発展が期待されます。

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