増原宏

増原 宏（ますはら ひろし）

増原宏は、1944年3月29日生まれの日本の著名な化学者であり、現在は台湾の国立交通大学で講座教授を務めています。彼はまた、大阪大学名誉教授としても知られ、過去には光化学協会の会長を務めていました。さらに、紫綬褒章を受賞したことでも評価されています。

人物・経歴

増原は東京に生まれ育ち、1962年に大阪府立三国丘高等学校を卒業しました。その後、1966年に東北大学理学部の化学第2科を卒業し、1968年には同大学の大学院理学研究科にて化学専攻の修士課程を修了しました。

1971年には大阪大学の大学院基礎工学研究科で化学系に関連する博士課程を修了し、日本学術振興会の奨励研究員としてのキャリアをスタートさせます。1972年からは大阪大学基礎工学部合成化学科の助手として勤務し、1981年にはベルギーのルーヴァン・カトリック大学で客員研究員の経験を積みました。

1984年に大阪大学基礎工学部合成化学科の講師に就任し、京都工芸繊維大学の教授を兼任することとなりました。その後も、東京工業大学資源化学研究所で客員教授を務めるなど、多くの機関で教育・研究活動を行ってきました。

1991年には大阪大学工学部の応用物理学科教授に就任し、同時に再びルーヴァン・カトリック大学の客員教授として活動を続けました。彼の業績は多岐にわたり、1993年にはモエヘネシー・ルイヴィトン国際科学賞を受賞、さらに1994年には日本原子力研究所高崎研究所の客員研究員を務めたことでも知られています。そして、この年に日本化学会学術賞と大阪科学賞を受賞した実績もあります。

1996年には日本原子力研究所関西研究所の客員研究員として活動を続け、1998年には大阪大学大学院工学研究科応用物理学専攻で教授に就任しました。さらに、科学と芸術のためのベルギー王立フランダースのアカデミー外国人会員にも選出されています。2000年以降は名古屋大学物質科学国際研究センター客員教授や光化学協会の会長としても貢献しました。

2005年からは大阪大学大学院工学研究科精密科学・応用物理学専攻で教授として教鞭を取っているほか、関西学院大学や中国科学院理化学技術研究所での客員教授も務めています。また、各種の学術賞の受賞や国際的な学術団体への参加を通じて、日本の化学界に多大な影響を及ぼしている存在です。

増原は継続的に研究と教育に尽力し、アカデミックな業績を発表し続ける一方で、幅広いネットワークを築いてきました。2018年には千葉大学分子キラリティー研究センターの客員教授に就任し、2019年には分子科学会の名誉会員に選出されています。これまでの功績により、2017年には瑞宝中綬章を受賞し、光化学協会の名誉会員となっています。

増原宏はその豊かな経験と専門知識を基に、化学の進展に寄与し続けており、多くの学生や研究者から尊敬される存在であり続けています。

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