中国科学院

中国科学院について

中国科学院（Chinese Academy of Sciences）は、中華人民共和国における自然科学とハイテク分野の研究を統括する最高機関です。国務院の直属事業単位として、基礎研究から応用研究まで幅広い分野で重要な役割を果たしています。設立は1949年11月1日、中華人民共和国成立のわずか1ヶ月後という歴史ある研究機関です。

歴史

中国科学院の前身は、中央研究院と北平研究院に遡ります。中央研究院は、国民政府の台湾移転に伴い台北で再建されましたが、北京に残った施設と人員によって中国科学院が設立されました。設立当初は、人文・社会科学分野の研究所も包括していましたが、1977年に中国社会科学院が設立された際に、これらの研究所はそちらに移管されました。
1955年には学部が設立され、中国科学技術の最高諮問機関としての地位を確立しました。現在、数学物理学部、化学部、生命科学・医学部、地学部、情報技術科学部、技術科学部の6学部体制となっています。さらに1994年には、中国工程院が設立され、中国科学院と並び「両院」と呼ばれています。

組織と活動

中国科学院は、北京や上海を含む12都市に分院を持ち、研究所、国家重点研究室、新聞発行機関、国家授時センターなどの様々な施設を所有しています。また、中国科学技術大学や中国科学院大学は、同科学院に隷属する教育機関です。

世界最大級の科学研究機関として知られ、『ネイチャー』誌のランキングでは常に上位にランクインしています。卓越した学術業績を挙げ、中国の科学技術発展に大きく貢献した研究者は「院士」に選出され、海外の研究者も「外籍院士」として選出されています。

歴代院長

中国科学院の歴代院長は以下の通りです。

郭沫若（1949年10月 - 1978年6月）
方毅（1979年7月 - 1981年5月）
盧嘉錫（1981年5月 - 1987年1月）
周光召（1987年1月 - 1997年7月）
路甬祥（1997年7月 - 2011年3月）
白春礼（2011年3月 - ）

著名な教員

佐々木力（科学史、2012年 - ）
𡈽山明（鉱物学、2019年 - ）

主な出身者

北村義浩 - 医師、東京医科大学・特任教授、元厚生労働省 国立感染症研究所・厚生労働技官

関連企業・機関

中国科学院は、様々な企業や研究機関と関係を持っています。以下はその一部です。

中国地理学会 (北京)
レノボ - 中国科学院の資産管理会社が筆頭株主である聯想控股有限公司の筆頭株主
寒武紀科技
NTTデータ - 交通分野で共同研究
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ - 中国科学院の資産管理会社傘下THATICと合弁会社設立
オリックス (企業) - 中国科学院の資産管理会社と業務提携
理化学研究所 - 中国科学院と研究協力
* アリババグループ - クラウド事業Aliyunで中国科学院と共同研究

まとめ

中国科学院は、中国の科学技術の発展を支える重要な研究機関です。基礎研究から応用研究まで幅広い分野で国際的な協力も積極的に進めており、世界を代表する研究機関として今後もその動向が注目されます。

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