増殖気味 X≒MULTIPLIES

増殖気味 X≒MULTIPLIES の紹介

『増殖気味 X≒MULTIPLIES』（ぞうしょくぎみ エックスニアイコールマルティプライズ）は、音声合成ソフトである初音ミクをボーカルに用いたカバーアルバムであり、人気音楽ユニットYMO（イエロー・マジック・オーケストラ）のアルバム『増殖』を基にしています。このアルバムは、HMOとかの中の人。というアーティストによって制作されており、YMOのカバーアルバムの第2弾として位置付けられています。

アルバムの背景

このアルバムは、前作『Hatsune Miku Orchestra』での挑戦を受け、YMOの楽曲の中で歌ものとして知られつつ独自の強いコンセプトを持った作品を目指して発表されました。特に、『増殖』のユニークさを捉えつつも、一部異なる収録曲を採用することで新たな解釈を提供しています。元の『増殖』アルバムは、YMOの音楽とスネークマンショーのコントを組み合わせたものですが、今作でも新作のコントが取り入れられ、スリリングなエンターテインメントが広がっています。

トラックリストと楽曲へのアプローチ

本アルバムでは、単なるトレースにとどまらず、YMOのロック寄りの要素を強調しています。これにより、全体的にギターサウンドが意識されているため、リスナーには新鮮な体験が提供されるでしょう。また、収録曲としては『増殖』アルバムから選ばれたが、「MULTIPLIES」を除外し、代わりにビートルズの「DAY TRIPPER」のカバーを収録しています。これはYMOもカバーしている曲であり、HMOとかの中の人。が選んだ理由には、BPMの早い曲を必要としていたことと、個人的な好みが影響しています。

ボーカルには、初音ミクをはじめ、鏡音リン・レン、巡音ルカ、結月ゆかりの技術も活用されています。さらに、一部では生身のボーカルも取り入れられ、音楽の幅を広げています。特に初音ミクについては、VOCALOID2版だけでなく、開発中のVOCALOID3版も使用され、最先端の技術が息づいています。

コントと脚本

新たなコント「HMO ON THE AIR」は、VOCALOIDやYMO文化に深い理解を持つ小説家の野尻抱介が脚本を担当しており、楽曲とともに新しい形のエンターテインメントを提供します。コントは未来の設定を背景に、現代や未来におけるVOCALOIDの普及とその影響についての皮肉を交えています。キャストには、初音ミクを演じる藤田咲、巡音ルカを演じる浅川悠が参加しており、リアリティを求め生身の声優が起用されています。

アートワークと特典

本アルバムのジャケットデザインは、『増殖』のパロディ表現がなされており、オリジナルとは異なる特徴を持つ初音ミクのイラストが豊富に描かれています。更に、初回特典として、YMOメンバーにちなんだコスチュームの初音ミクフィギュアが同梱され、ファンにはたまらない一品となっています。

『増殖気味 X≒MULTIPLIES』は、音楽とコントが見事に融合した作品として、新たなサウンド体験を介し、リスナーに豊かな感動と楽しさを提供することを目指しています。

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