Hatsune Miku Orchestra

Hatsune Miku Orchestra

『Hatsune Miku Orchestra』（ハツネ・ミク・オーケストラ）は、音声合成ソフト「初音ミク」をボーカルに用いて、日本のテクノポップの先駆者であるイエロー・マジック・オーケストラ（YMO）の楽曲をカバーしたアルバムです。製作を手掛けたのは、「HMOとかの中の人。(PAw Lab.)」に所属するアーティストであり、彼の作品は初音ミクの発表以来高い評価を得ています。キャッチフレーズは「20世紀に想像した、21世紀の声がここにある」というものであり、古典的な音楽と最新技術が融合した作品を予感させます。

アルバムの背景

2007年に初音ミクが発売されて以来、特にニコニコ動画を中心に多くの楽曲が発表され、その中でもYMOの楽曲のカバーは非常に人気があります。これに伴い、YMOの楽曲を初音ミクの声でアレンジしたものは「HMO」と呼ばれるようになり、このジャンルが誕生しました。本アルバムは、YMOのカバーを数多く手がけてきた「HMOとかの中の人。」の作品であり、まさにこのジャンルの代表作となっています。

この名称は、もともと制作者個人を指していましたが、次第に初音ミクを用いたYMOのカバー全般を表すようになりました。2008年には、イラストレーター・漫画家の「くぅ」と共にクリエイターユニット「PAw Laboratory」を結成し、その後も自主制作アルバム『HMO and WORKS』を発表。瞬く間に完売となり、多くのファンの注目を浴びました。

商品情報

『Hatsune Miku Orchestra』のアルバムには、『HMO and WORKS』からの楽曲が更新され、初音ミクの新しいライブラリも使用されています。特に、初音ミクAppendの開発過程で作られたプロトタイプの歌手ライブラリ「CV01-dark-ProtoTYPEβ」が使われており、その結果、モダンでありながらもノスタルジックな音色を生み出しています。マスタリングは、YMOの音楽に関わってきたエンジニアの小池光夫が担当し、YMOらしいサウンドに仕上げています。

アルバムジャケットは、イラストレーターの「くぅ」によって描かれ、YMOのデビューアルバムの米国版ジャケットを参考にしたデザインとなっています。また、初回版は36ページのブック型デジパック仕様で、特別感が漂います。なお、ジャケットイラストを立体化したフィギュア「ねんどろいど 初音ミク アブソリュートHMO・エディション」も販売され、多くのファンに愛されています。

収録曲とイベント

本アルバムに収録されている楽曲は、幅広いジャンルに渡り、YMOの名曲が初音ミクの声で新たに蘇っています。また、2009年には、アルバム発売に合わせて「初音ミクとテクノ・デザイン展」というイベントが開催され、多くのアート作品やミュージックビデオが展示されました。このように、アルバムの魅力をさらに引き立てる機会も用意されています。

このように、『Hatsune Miku Orchestra』は、初音ミクとのコラボレーションによって生まれたYMOの新たな解釈を楽しむことのできる一枚であり、音楽の歴史を新たな形で感じられる作品です。

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