増田盛次

増田 盛次について

増田盛次（ました もりつぐ）は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけて活躍した武将で、別名は宗重。また、兵部大輔を名乗った。彼は増田長盛の次男で、長兄の長勝や弟の新兵衛と共に増田家を支える存在だった。盛次の生涯は、戦国時代の動乱や、豊臣政権の崩壊に伴う彼自身の運命が大きく影響を与えた。

生涯の概要

盛次は天正18年（1590年）、豊臣秀次に仕官する形で武将としての道を歩み始め、盛次という名を名乗った。しかし、豊臣秀吉と秀次の関係が悪化していく中、彼は文禄3年（1594年）に秀吉の命令で徳川家康に仕官することとなる。文禄4年（1595年）の7月15日には、豊臣秀次が切腹する事件が起き、盛次はその後大和郡山城で謹慎生活を送った。

関ヶ原の戦い（慶長5年、1600年）では、父・長盛と共に西軍に参加し、大津城の戦いに参戦した。戦後、増田家は改易され、父の長盛は流罪にされるが、盛次は庶兄である長勝と共に叔父の増田長俊の養子として迎えられ、改易の責任を免れた。盛次はその後、徳川家康や義直に仕官し、家系を復興させた。

盛次は慶長19年（1614年）の大坂冬の陣においても徳川方として戦い、顕著な戦功を上げた。しかし、彼は豊臣への恩顧から複雑な感情を抱き、戦の勝敗によって心情が揺れ動いたとされる。戦後、家康から賞賛されたことで、「流石増田の子」との呼び声が上がった。後に盛次は義直の了解を得て尾張藩から離れ、父の長盛と協議の上で大坂城に入城した。

慶長20年（1615年）5月6日には、父が元服の烏帽子親を務めた長宗我部盛親隊に加わり、八尾へ進撃。藤堂高虎隊との交戦が始まったが、一時的には優勢だったものの、形勢は逆転し、長宗我部隊は撤退を余儀なくされた。盛次は殿軍として撤退を行うも、藤堂隊の追撃は激しく、最終的には磯野行尚に討ち取られてしまった。享年は不詳だが、その討死は「はれなる」と称された。

備考

盛次の武将としての才覚は、父・長盛の家臣である渡辺了から槍術を学んだことに起因していると言われており、武将としての技術を身につけるために努力を重ねた。彼の生涯は、戦国の激動を経て、武士の生き様や忠義の在り方を考えさせられるものである。増田盛次は、名の知れた武将の一人として歴史に名を残しており、その業績は今なお人々の記憶に刻まれている。

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