壱岐市立田河中学校

壱岐市立田河中学校（閉校）

壱岐市立田河中学校は、長崎県壱岐市に位置し、2011年3月末に閉校した公立中学校です。通称「田中（たちゅう）」として親しまれていました。旧芦辺町地区の箱崎中学校および那賀中学校と統合し、新たに壱岐市立芦辺中学校が設立されたことに伴い、その役割を終えました。しかし、田河中学校の校舎は、芦辺中学校の校舎として2019年10月末まで使用され、地域の教育の歴史を繋ぎました。

概要

田河中学校は、長崎県道23号勝本石田線から八幡方面へ延びる市道沿いに位置し、周辺には海、貯水池、田畑が広がる自然豊かな環境にありました。校名の「田河」は、田畑が多く、壱岐最長の幡鉾川をはじめとする河川が流れる地域であったことに由来します。かつては「田河町」「田河村」という地名がありましたが、現在は「芦辺町」の一部となっています。田河地区は、芦辺浦、諸吉、深江などの地区を含んでいます。

校訓

「自主」「品性」「忍耐」を校訓とし、生徒たちの成長を支えました。

教育目標

「生活と学習の基礎を確立し、豊かな心を身につけた生徒の育成」を教育目標に掲げ、教育活動に取り組んでいました。

校章

校章は、左右に一本ずつ稲が下中央で結ばれているデザインで、中央には縦に「中學」の文字が配置されています。

校歌

作詞は松坂直美、作曲は八州秀章による校歌は、3番まであり、各番とも「田河　田河　田河　田河中学」で終わります。壱岐市役所のホームページで、校歌の曲（歌詞あり、歌詞なし）をダウンロードすることができます。1番の冒頭「金城」は、校舎の前に広がる海に浮かぶ2つの島に朝日が当たり、金色に輝く景色のことを指します。2番の冒頭「鹿の山神社」は、体育館裏にある小さな「鹿山神社」のことです。

また、田河中学校には、以下のような応援歌もありました。

「緑濃き我が鹿山にこもり立つ五百の群れは若き日の血潮に燃えて今も立つ我らが精鋭。」
「鹿山神社の神主がおみくじ引いて申すには、いつでも田中（たちゅう）は勝ち、勝ち、勝っち勝ち。」

校区

田河中学校には、以下の小学校区の生徒が通っていました。

壱岐市立田河小学校
壱岐市立芦辺小学校
壱岐市立八幡小学校

制服

男子は学生服（学ラン）、女子はセーラー服が制服でした。運動着（ジャージ）の色は「青色」でした。

沿革

1947年（昭和22年）4月1日：学制改革により、「田河村立田河中学校」として開校。当初は田河小学校と芦辺小学校を間借りして使用。
1948年（昭和23年）3月：町制施行により、「田河町立田河中学校」に改称。
1949年（昭和24年）12月：現在地に木造校舎が完成し、移転。
1955年（昭和30年）4月：田河町と那賀村が合併し芦辺町が発足、「芦辺町立田河中学校」に改称。
1960年（昭和35年）3月：校歌を制定。
1963年（昭和38年）：火災により校舎の一部を消失。13学級を9学級に編成し直し、残った東側で授業を行う。
1964年（昭和39年）5月：新校舎が完成。
1965年（昭和40年）8月：女子バレーボール部が県中体連で優勝。
1965年（昭和40年）11月：女子バレーボール部が北九州大会で準優勝。
1965年（昭和40年）12月：第11回学研教育賞を受賞。
1966年（昭和41年）2月：女子バレーボール部が長崎県スポーツ賞を受賞。
1982年（昭和57年）3月：体育館が完成。
1993年（平成5年）4月：特別教室（給食室・パソコン室）が完成、給食を開始。
2004年（平成16年）3月：壱岐市誕生に伴い、「壱岐市立田河中学校」となる。
2011年（平成23年）3月：中学校規模適正化（統廃合）により閉校。
2011年（平成23年）4月1日：校舎・校地がそのまま「壱岐市立芦辺中学校」として使用開始。
2020年（令和2年）：旧田河中学校校舎が解体、現在は体育館とグラウンドが残る。

学校行事

1学期

4月：歓迎遠足
5月：壱岐市中体連（球技・武道大会）
6月：壱岐市中体連（陸上・相撲大会）
7月：中1宿泊学習、磯体験
8月：平和集会

2学期

9月：体育祭、中2修学旅行
10月：壱岐市中体連駅伝大会
11月：合唱祭
12月：人権集会、授業参観

3学期

2月：授業参観
3月：送別遠足

その他にも、愛校週間、職場体験実習、親子クリーン作戦などが実施されていました。

生徒会

生徒会には、生徒会執行部、生活部、学習部、保健給食部、厚生部、文化部があり、地区生徒会も組織されていました。地区生徒会は、以下の校区で構成されていました。

田河小校区（1.深江 2. 諸吉二亦・仲・本村 3.諸吉東・南）
芦辺小校区（4.芦辺東 5.芦辺西）
八幡小校区（6.八幡東 7.八幡西 8.棚江）

部活動

部活動はすべて運動部で、全生徒がクラブに所属する必要がありました。

男子

野球部
バレーボール部
ソフトテニス部
卓球部

女子

バレーボール部
バスケットボール部
ソフトテニス部
卓球部

期間限定

陸上部（男女）：6月大会のため、5月大会終了後に選抜。
相撲部（男）：6月大会のため、5月大会終了後に選抜。
応援部（男女）：6月大会のため、5月大会終了後に選抜。
駅伝部（男女）：10月大会のため、全校生徒から選抜。

壱岐地区では、中学校体育大会は「中体連」と呼ばれ、種目ごとに3回に分けて行われています。この形式は、2011年の統合後も継続されています。

5月：球技・武道
6月：陸上・相撲
10月：駅伝

卒業生

酒井圭一（元野球選手）

アクセス

最寄りのバス停

壱岐交通「田河校」バス停で下車。徒歩約15分。バス停そばの小道を海の見える方向に歩くと、左側に校舎が見えます。

郷ノ浦港からのアクセス

「郷ノ浦（本町）行き」に乗車し、本町で下車。「芦辺直行」のバスに乗り換えます。

印通寺港からのアクセス

「印通寺経由芦辺行き」のバスに乗車します。

芦辺港からのアクセス

「郷ノ浦直行」のバスに乗車します。

最寄りの道路

郷ノ浦港から：国道382号を進み、親和銀行壱岐中央支店で右折、県道173号芦辺郷ノ浦線を進みます。県道23号線勝本石田線と合流するので、左折。アグリランドいき直売所を過ぎたすぐの道を右折し、その道を進むと、右側に校舎が見えます。
印通寺港から：長崎県道23号勝本石田線を芦辺方向に北上。アグリランドいき直売所を過ぎたすぐの道を右折し、その道を進んでいくと、右側に校舎が見えます。
芦辺港から：県道23号勝本石田線を石田方向に南下。アグリランドいき直売所の直前の道を左折し、その道を進んでいくと、右側に校舎が見えます。

周辺

鹿山神社
前小島：校舎の前の海に浮かぶ小さな島。干潮になると歩いて渡ることができます。「まんじゅう島」とも呼ばれています。
壱岐市立田河小学校
壱岐市立田河幼稚園
有限会社アグリランドいき直売所（旧JA壱岐市田河支所）
九電工壱岐営業所

参考文献

「芦辺町史」（1978年（昭和53年）3月1日発行、芦辺町史編集委員会）p.771～ 第7章 教育史

脚注

関連項目

* 長崎県中学校の廃校一覧

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