印通寺港

印通寺港について

印通寺港（いんどうじこう）は、長崎県壱岐市石田町印通寺浦に位置する地方港湾です。この港は、壱岐島の南東部にあり、九州本土に最も近い場所に位置しています。また、国道382号線の終点であり、ここから海上国道区間が始まります。地元住民からは「いんつうじ」と呼ばれることもあります。

歴史

印通寺港は、その入り口にある妻ヶ島が天然の防波堤となり、古くから良港として利用されてきました。奈良時代には遣唐使船の寄港地として、また室町時代には倭寇の根拠地の一つとして歴史に名を刻んでいます。江戸時代には平戸藩の支配下となり、島外との連絡や年貢の積み出し港、さらには捕鯨基地として重要な役割を果たしました。

近年の状況

2015年度には、年間5,168隻の船舶が発着し、15万人以上の人々が利用しました。これは、壱岐島にとって非常に重要な海の玄関口であることを示しています。

沿革

1881年には郵便取扱所が開設され、呼子港との間に郵便船が就航しました。その後、1920年には壱岐運輸株式会社が設立され、壱岐丸が印通寺-呼子航路を開設。1929年には唐津壱岐運輸会社が客船を運航するようになり、1959年には貨客船「梓丸」が就航しました。1970年代にはフェリーが導入され、1980年代には新造船の導入とフェリーターミナルの改築が行われました。2007年には、九州本土側の発着港が唐津東港に変更され、新造船「エメラルドからつ」が就航。2019年には「ダイヤモンドいき」が就航し、現在の体制となりました。

施設

現在のフェリーターミナルビルは、鉄筋コンクリート造2階建てで、延床面積は495.47平方メートルです。1階には管理事務所、乗船券販売窓口、売店があり、2階には待合所とボーディングブリッジが設置されています。バリアフリーにも配慮され、エレベーターが設置されました。また、新造船にはエレベーターが設置されており、高齢者や体の不自由な方にも優しい設計となっています。

航路

現在、九州郵船がフェリーを運航しており、「ダイヤモンドいき」と「エメラルドからつ」の2隻体制で、唐津東港との間を約1時間40分で結んでいます。かつては長崎市と連絡する高速バスとの接続がありましたが、2012年に廃止されています。

アクセス

壱岐交通のバスが印通寺港バス停に乗り入れており、郷ノ浦港、芦辺漁港、壱岐空港など、島内各地へのアクセスが可能です。夏季限定で筒城浜海水浴場へのバスも運行されています。詳細な時刻表は、壱岐交通の公式ホームページで確認できます。

周辺施設

港周辺には、壱岐警察署石田警察官駐在所、マリンパル壱岐、壱岐市立石田図書館、石田郵便局、壱岐市役所石田庁舎、壱岐市立の小中学校、壱岐松永記念館、唐人神、原の辻遺跡、志々岐浜海水浴場、志々岐神社などがあります。

まとめ

印通寺港は、歴史的に重要な港であり、現在も壱岐島と本土を結ぶ重要な役割を担っています。フェリーターミナルの改築や新造船の導入により、利用者の利便性が向上しており、壱岐観光には欠かせない拠点となっています。

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