変なホテル

旅行会社エイチ・アイ・エス（H.I.S.）のグループ会社が運営するユニークなホテルブランドです。「変なホテル」という名称には、「奇妙な」という意味ではなく、「変わり続けることを約束する」という革新的な理念が込められています。H.I.S.創業者の澤田秀雄氏が主導した「スマートホテルプロジェクト」の一環として誕生し、滞在における快適性を保ちつつ、世界最高水準の生産性を実現する低コスト運営のモデルを目指して開発されました。

特徴

変なホテルの最も際立った特徴は、人間のスタッフに代わり、ロボットが主要な業務を担っている点です。フロントでのチェックイン・チェックアウト対応、荷物搬送など、これまで人が行っていたサービスの大部分をロボットが担当することで、人件費を大幅に抑制し、宿泊料金を抑えることを可能にしています。導入されているロボットの種類は多様で、人間の女性型、恐竜型、人形型、専用のポーターロボットなど、館内には約80台ものロボットが稼働しています。これにより、「世界で初めてロボットが主要なサービスを提供するホテル」として、ギネス世界記録にも認定されました。人間の従業員は、ベッドメークや監視業務などに限定され、少数精鋭で運営されています。

また、先進技術の活用も特徴の一つです。顔認証システムを導入しており、これにより物理的なルームキーが不要なキーレス滞在を実現しています。さらに、客室内に設置されたタブレット端末を使って、照明や空調などの設備を一括して操作できるなど、利便性の向上も図られています。

展開

最初の店舗は、2015年 7月17日に長崎県のハウステンボス内にオープンしました。その後、2017年3月には2号店として「変なホテル舞浜東京ベイ」が、同年8月には3号店「変なホテルラグーナテンボス」が開業するなど、テーマパーク周辺を中心に店舗数を増やしました。現在では、東京や大阪といった大都市圏を中心に全国へ展開を進めており、2025年5月時点では国内に21店舗、海外にはソウルとニューヨークに合計2店舗を運営しています。

H.I.S.ホテルホールディングス株式会社

「変なホテル」をはじめとするH.I.S.グループのホテル事業を統括・運営しているのが、H.I.S.ホテルホールディングス株式会社です。設立当初は、ハウステンボスが直接運営していた「変なホテルハウステンボス」を除く、グループの他のホテルブランドの展開を主に担当していました。しかし、2017年9月1日には、親会社であるH.I.S.本体が保有していたホテル事業部門を吸収分割により承継。これにより、H.I.S.グループ全体のホテル事業を包括的に管理・運営する中核企業となりました。

運営ブランド

H.I.S.ホテルホールディングスは、「変なホテル」ブランドの他にも、以下のような多様なブランドを展開しています。

変なホテル / 変なホテルエクスプレス / 変なリゾート&スパ：中核ブランド。エクスプレスは事前決済とQRコードによる迅速なチェックインが特徴。リゾート&スパは温浴施設を備えたリゾート立地の新ブランド。
ウォーターマークホテル：
グアムリーフ&オリーブスパリゾート：
グリーンワールドホテル／ホステル：
リゾートホテル久米アイランド：
満天ノ辻のや：H.I.S.によるホテル・旅館再生支援プロジェクト第一号案件。
ヴィソンホテルズ：商業リゾート「VISON」内のホテル群。

沿革

2015年 7月17日：第1号店「変なホテルハウステンボス」開業。
2016年3月15日：「変なホテルハウステンボス」2期棟開業、グランドオープン。
2018年12月21日：「変なホテルハウステンボス」3期棟開業。総客室数200室に。
2021年8月1日：初の海外店舗「変なホテルソウル明洞」開業。
2021年9月1日：東北地方初出店「変なホテル仙台国分町」開業。
2021年10月1日：「変なホテルニューヨーク」開業。
2023年10月26日：ハウステンボス株式会社の株式譲渡に伴い、「変なホテルハウステンボス」が「ホテルロッテルダム」へ名称変更しリニューアル。

変なホテルは、テクノロジーの力でホテル運営の常識を変え、「変わり続ける」ことを通じて利用者に新しい宿泊体験を提供し続けるブランドとして、注目を集めています。

もう一度検索