夏 長崎から さだまさし

夏 長崎から

「夏 長崎から」は、歌手のさだまさしが自らの故郷、長崎県で1987年から2006年まで開催した無料の野外コンサートです。このイベントは毎年、8月6日、広島原爆の日の前に行われ、平和を願うメッセージを込めて歌われました。さだは、「原爆」とは切り離せない自らの感情と、家族に被爆者がいることから、この特別な日を選んだことを明かしています。長崎の原爆忌である8月9日に行われるイベントが多いため、混雑を避ける意味もありました。

このコンサートは地域の人々にとって夏の一大イベントとなり、全国から約50万人以上の観客を集めることになりました。地元だけでなく、さだの音楽を愛するファンが遠方からも訪れました。また、さだの呼びかけに応じて数多くの著名なゲストも参加し、幅広い交流の場となりました。

長崎市松ヶ枝に建設されたナガサキピースミュージアムは、コンサート当日に集まった募金によって設立されました。また、コンサートに参加したBEGINもこの活動に刺激を受け、沖縄での「うたの日コンサート」を始めるきっかけとなりました。このように、「夏 長崎から」は地域社会と文化に多大な影響を与え、平和へのメッセージを広める重要なプラットフォームとなりました。

コンサートは、NHK長崎と総合テレビで生中継されることもあり、全国的にも多くの人々にその模様が届きました。時には編集された映像が全国放送されることもあり、イベントの認知度は年々高まっていきました。

2006年には、20年間の業績が評価され、日本レコード大賞の特別賞を受賞しました。これを機に、さだは「夏 長崎から」を一区切りとし、2007年からは広島での平和コンサート「2007 夏 広島から」を開催することを決定しました。これにより、「夏 長崎から」は1997年から約20年にわたる素晴らしい旅の最後を迎えました。

その後も、さだは積極的に音楽活動を続け、長崎の有志や妹の佐田玲子も参加して2007年から「夏!まだまだ長崎から」のような新しいイベントを展開しました。

さらに、2013年からは東日本大震災復興支援として「長崎から東北へ」というチャリティコンサートを開催し、この活動は今も続いています。これは、復興を願う音楽イベントとして多くの参加者に支持されています。

また、さだまさしが設立した「風に立つライオン基金」を通じて、高校生ボランティアアワードの一環として、チャリティコンサートも行われています。2020年からは、稲佐山公園で平和を祈る音楽祭も開催され、このイベントは「夏 長崎から」を引き継ぐ形で展開されています。

「夏 長崎から」は音楽を通じて平和を訴える深い意義を持ち、多くの人々に影響を与えてきた重要なイベントとして記憶されています。今後も、その精神は様々な形で受け継がれていくことでしょう。

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