夏が来た! (アルバム)

夏が来た!



『夏が来た!』は、日本のアイドルグループ、キャンディーズが1976年7月21日にリリースした通算7枚目にあたるオリジナル・アルバムです。夏本番に合わせて発表されたこの作品は、当時のLP帯に「今、君の心をアタック!」というキャッチコピーが踊り、リスナーの心に強く訴えかける意欲が込められていました。最大の特徴は、それまでのカバー曲や既発表曲を含む構成から一転し、本作では全ての収録曲がこのアルバムのために書き下ろされたオリジナル楽曲で構成されている点にあります。これは、単なるアイドルグループから、表現者としての新たな段階へと進むキャンディーズの姿勢を示すものでした。

オリジナル楽曲の制作にあたり、竜真知子森雪之丞といった当時活躍していた作詞家や、宮本光雄、馬飼野康二水谷公生、井上忠夫ら、音楽シーンを牽引する作曲家・編曲家が多数参加しています。また、鈴木慶一ムーンライダーズが編曲を手がけた楽曲が含まれるなど、当時の最先端を行くアレンジャーも起用されており、音楽的な幅広さも本作の魅力となっています。

オリジナル盤収録曲



LPレコードとしてリリースされたオリジナル盤には、以下の全12曲が収録されました。

SIDE A

1. HELLO! CANDIES
作詞:竜真知子/作曲:宮本光雄/編曲:船山基紀
2. 危険な関係
作詞:竜真知子/作曲:宮本光雄/編曲:船山基紀
3. 夏が来た!
作詞・作曲・編曲:穂口雄右
4. MY LOVE
作詞:竜真知子/作曲:丹羽応樹/編曲:船山基紀
5. さよならバイバイ
作詞・作曲:椎名和夫/編曲:鈴木慶一ムーンライダーズ
6. めぐり逢えて
作詞:たきのえいじ/作曲:水谷公生/編曲:渋井博

SIDE B

1. SAMBA NATSU SAMBA
作詞:森雪之丞/作曲・編曲:馬飼野康二
2. 行きずりの二人
作詞:たきのえいじ/作曲・編曲:穂口雄右
3. 季節のスケッチ
作詞・作曲:椎名和夫/編曲:船山基紀
4. MOON DROPS
作詞:堤けい/作曲:岡田徹/編曲:鈴木慶一ムーンライダーズ
5. 雨の日に偶然
作詞:堤けい/作曲:岡田徹/編曲:船山基紀
6. 恋はサーフィンに乗って
作詞:東海林良/作曲:井上忠夫/編曲:竜崎孝路

後年のリリース



2008年9月3日にリリースされたCD-BOXセット『キャンディーズ・タイムカプセル』に収納された紙ジャケット仕様の復刻盤には、オリジナル収録曲に加え、複数のボーナス・トラックが追加収録されました。これにより、当時の関連楽曲や貴重な音源も併せて楽しむことができるようになりました。

『キャンディーズ・タイムカプセル』盤 ボーナス・トラック

ご機嫌いかが
作詞:森雪之丞、作曲・編曲:馬飼野康二
アルバムのタイトルチューンでもある10thシングル「夏が来た!」のB面に収録されていた楽曲です。
ハート泥棒
作詞:林春生、作曲:すぎやまこういち、編曲:船山基紀
アルバム発売後にリリースされた11thシングル1976年9月1日発売)のA面曲です。
今がチャンスです
作詞:林春生、作曲:すぎやまこういち、編曲:あかのたちお
11thシングルハート泥棒」のB面曲として発表された楽曲です。
夏が来た!(オリジナル・カラオケ/メロディー入り)
本CD-BOXで初めてCD化された音源です。
夏が来た!(オリジナル・カラオケ/純カラオケ
「夏が来た!」の歌唱パートを含まない純粋なカラオケ音源です。
ハート泥棒(オリジナル・カラオケ/メロディー入り)
本CD-BOXで初めてCD化された音源です。
ハート泥棒(オリジナル・カラオケ/純カラオケ
ハート泥棒」の歌唱パートを含まない純粋なカラオケ音源です。

このように、『夏が来た!』はキャンディーズのアルバム群の中でも、全曲オリジナルという点で特筆される作品であり、グループの音楽性の広がりを示す重要な一枚として位置づけられています。後年のCD化により、関連シングル曲や貴重なカラオケ音源と共に、その全容を現代に伝えています。

関連項目



1976年の音楽

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