夏の影

「夏の影」は、1975年5月27日から同年10月28日まで日本テレビ系列の「火曜劇場」枠で全23回にわたって放送されたテレビドラマです。

物語は、1975年の夏、一見平穏な生活を送る人妻・綾乃を中心に展開します。しかし、彼女の日常は、死んだと思われていた前夫の存在によって、徐々にその影を落としていきます。かつてシンガポールへ向かう貨物船に乗っていた前夫は、船の消失後、投身自殺したとされていました。しかし、彼の生存を匂わせる不可解な出来事が相次ぎ、投身自殺そのものへの疑念が深まります。

そんな中、綾乃の現在の夫・克彦が突然失踪。子供と姑を抱えながら、綾乃は知り合った男・工藤の愛情に支えられ、事件の真相を追う決意をします。彼女はシンガポール、長崎、北海道へと飛び、夫の失踪と前夫の自殺の真相に迫っていくことになります。

登場人物

岡島綾乃：池内淳子
岡島克彦：池部良
岡島征子（姑）：三益愛子
岡島光男：水野哲 - 綾乃の前夫との連れ子
工藤：三橋達也
内田絹代：梶芽衣子
梨花：小林千登勢 - 綾乃の友人
登美江：村地弘美
佐久間：前田昌明
初子：横山道代
松田：高橋悦史 - シンガポール支局員
西川：内田朝雄 - 克彦の会社の常務
光男の担任教師：大和田伸也
亀石征一郎
白井：木村功 - 綾乃の前夫

スタッフ

プロデューサー：早川恒夫
脚本：高橋玄洋
演出：石橋冠、細野英延
音楽：坂田晃一
制作：日本テレビ

ドラマを彩る挿入歌として、古谷野とも子が歌う「海の悲歌（エレジー）」と「愛はゆれている」が使用されました。これらの楽曲は、それぞれ万里村ゆき子が作詞、坂田晃一が作曲・編曲を手掛けています。

「夏の影」は、愛と疑惑が入り混じる複雑な人間関係を、サスペンスフルな展開で描いたメロドラマとして、当時の視聴者に強い印象を与えました。綾乃を演じた池内淳子の演技、そして物語の舞台となるシンガポール、長崎、北海道の風景が、ドラマの魅力を一層引き立てています。

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