夏島 (二等敷設艇)

夏島（なつしま）

夏島は、日本海軍において重要な雑役船の一つであり、特務艇としても知られています。この艇は、主に機雷を敷設するために設計され、日本海軍の敷設艇としては初めての大型艦です。夏島という名前は、横須賀港の「夏島」から名付けられたとされており、1918年から始まった追浜飛行場の建設工事に伴い、島が陸続きとなったことも関連しています。今日、この艇の跡地は横須賀市夏島町に位置しています。

艦型

夏島は、従来の小規模な敷設艇に代わる大型艇として開発されました。それまでの敷設艇は70トンから300トンの木造船が一般的でしたが、夏島はそれらの設計を一新し、より効率的で強力な艦艇としての役割を果たすことが期待されました。その後、夏島の設計を基に測天型敷設特務艇が建造されましたが、福井静夫によれば、艦首の形状や前部マストの高さ、搭載短艇の位置において、夏島と測天型にはいくつかの違いが見受けられます。

艦歴

夏島の起源は1909年4月15日で、当時の予算に基づいて新たに製造される500トン級のマインボート（敷設艇）として「夏島丸」という名前で命名されました。1911年には大型敷設艇として竣工し、横須賀防備隊に配属されます。1918年からは似島丸の竣工に際し、まず横須賀から呉防備隊へと所属が変更される予定でした。

その後、1920年の7月1日には「夏島」と改名され、同日に特務艇類別標準が制定されたことで、雑役船から特務艇に分類されることとなります。この年の秋には、呉防備隊に再度所属変更され、同年7月27日には横須賀港で回航されます。

1923年4月1日、夏島は二等敷設艇から除外され、再び雑役船に戻されて練習船としての役割を担うことになりました。1924年には海軍兵学校へ引き渡され、艦船の発着訓練に使用されました。しかし、1926年には他の艦艇との調整により必要がなくなったため、7月16日には臨時附属解除が提案され、9月25日には還納されました。

その後、港務部に保管されていた夏島ですが、船体の老朽化が進み、1926年1月11日には廃船が上申され、2月4日には廃船が認可されました。最終的には、同年3月28日に旧夏島は呉海軍工廠に引き渡され、使用可能な艦装品などが撤去された後、8月27日には販売されることになりました。購入者はこれを改造し、汽船「海光丸」として運用する計画だったと言われています。

まとめ

夏島は、日本海軍における機雷敷設艇としてだけでなく、海軍兵学校での練習船としても重要な役割を果たしました。その歴史は、日本海軍の艦艇開発の一端を担うものとして、今なお多くの研究者たちによって考証されています。

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