夏目晴雄

夏目晴雄は、1927年（昭和2年）7月10日に長野県で生まれ、2016年（平成28年）9月21日に亡くなった日本の防衛官僚です。1951年（昭和26年）に東北大学法学部を卒業後、特別調達庁に入庁しました。その後、防衛庁に出向し、国防会議事務局参事官、防衛庁人事教育局教育課長などを歴任しました。

1973年（昭和48年）には防衛庁防衛局防衛課長に就任し、その後、防衛庁参事官（後の防衛参事官）、防衛庁長官官房長、同人事教育局長、同防衛局長といった要職を歴任しました。1983年（昭和58年）6月29日には、第14代防衛事務次官に就任しました。

防衛官僚として、夏目氏はベレンコ中尉亡命事件（ミグ25事件）や大韓航空機撃墜事件といった、国家の安全保障に関わる重要な事件に対処しました。これらの事件を通して、夏目氏は国際情勢の複雑さと、それに対する日本の防衛体制の重要性を痛感したと考えられます。

1984年には、訓練自衛官による小銃乱射事件が発生し、その責任を問われ防衛庁長官から訓戒処分を受けました。1985年（昭和60年）6月25日に防衛庁を退官し、防衛庁顧問に就任しました。1987年（昭和62年）3月24日には、第5代防衛大学校長に就任し、1993年（平成5年）9月30日までその職を務めました。

夏目氏は、2008年（平成20年）10月31日に田母神俊雄航空幕僚長が更迭された際、新聞に『いつか来た道、歩き始めた』という記事を投稿しました。この中で夏目氏は、「制服組が思い上がりとも思える自信過剰になってきた」と指摘し、「制服を容易に政治に直轄させてはならない」と述べ、文民統制の重要性を強調しました。また、背広組（文官）と制服組（武官）の統合に対して否定的見解を示しました。

退官後は、財団法人防衛弘済会会長などを務め、1999年（平成11年）11月3日には秋の叙勲において勲二等瑞宝章を受章しました。2016年（平成28年）9月2日に死去し、叙正四位が贈られました。

夏目晴雄は、そのキャリアを通じて、日本の防衛体制の確立と文民統制の徹底に尽力した人物として、その名が記憶されるでしょう。彼の経験と提言は、今日の安全保障政策を考える上で、重要な示唆を与えてくれます。

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