夏目琢史

夏目 琢史のプロフィール

日本の歴史学者、夏目琢史（なつめ たくみ）は1985年に生まれ、現在は国士舘大学文学部史学地理学科の准教授として教鞭を執っています。専門分野は日本近世史であり、彼の研究は特に地域の歴史に重きを置いています。

生い立ちと教育背景

静岡県の引佐町、現在の浜松市浜名区引佐町にて生まれた夏目は、幼少期から地元の歴史に興味を持ち、特に井伊直虎に関心を寄せていました。中学校時代には龍潭寺を訪れるなどしてこの人物への知識を深めていきました。彼の大学での学びは近世村落史に特化し、2008年に東京学芸大学教育学部国際理解教育課程日本研究専攻を卒業しました。

その後、2010年には一橋大学大学院社会学研究科の修士課程を修了し、2014年には同大学院の博士後期課程を修了しました。この際、彼は「近世における個人と社会との関係 遠州における地方寺院と神職を中心として」という論文で博士号を取得しています。審査員には渡辺尚志や若尾政希、石居人也、高柳友彦といった著名な研究者が名を連ねました。

職歴と影響

夏目は公益財団法人德川記念財団の研究員、日本学術振興会の特別研究員、足立区立郷土博物館の専門員など多くの職を歴任してきました。さらに、早稲田大学エクステンションセンターの講師としても活動しており、それに続いて2014年には一橋大学附属図書館の助教として研究開発室に従事しました。

2017年には国士舘大学に移り、専任講師として勤務を開始し、その後、2020年には准教授に昇進しました。大学院においても人文科学専攻（博士課程）で准教授として教育に尽力しています。

研究の成果

彼は2016年に引佐町の東光院で井伊直虎に関する重要な史料を発見し、これにより地域の研究に新たな光を当てました。また、2017年のNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』では資料提供者として制作に携わり、多くの視聴者にその知識を広めることに寄与しました。その他にも、公益財団法人德川記念財団の特別研究員や井の国歴史懇話会の顧問など、多方面で活躍しています。

著作一覧

夏目琢史の著書には以下のようなものがあります：

• - 『平泉澄と網野善彦』（同成社、2008年）
• - 『アジールの日本史』（同成社、2009年）
• - 『近世の地方寺院と地域社会: 遠州井伊谷龍潭寺を中心に』（同成社、2015年）
• - 『文明・自然・アジール 女領主井伊直虎と遠江の歴史』（同成社、2016年）
• - 『井伊直虎 女領主・山の民・悪党』（講談社現代新書、2016年）
• - 『「名著」から読み解く日本社会史』（ミネルヴァ書房、2018年）

彼の研究や著作は、日本の歴史理解を深める貴重な資料となっており、今後の活動にも注目が集まっています。

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