夏県

夏県（かけん）は、中華人民共和国山西省南西部の運城市に位置する県です。古代には戦国時代の強国であった魏の首都、安邑（あんゆう）が置かれていました。安邑は現在の夏県の北西、禹王村（うおうむら）付近に位置していました。また、北宋時代の著名な歴史家である司馬光（しばこう）の故郷としても知られています。

歴史

伝説によれば、禹（う）は53歳の時、諸侯に推戴され安邑で天子となり、夏王朝を建てたとされています。安邑は魏の都として繁栄しましたが、秦の圧迫を受け、魏の恵王九年（紀元前361年）に都は大梁（だいりょう、現在の河南省開封市の東南）に移されました。

秦朝による中国統一後は、安邑県が設置され河東郡（かとうぐん）の郡治とされました。南北朝時代の北魏になると、487年（太和11年）に南安邑県と北安邑県に分割されました。その後、494年（太和18年）に北安邑県が夏県と改称されました。

夏県は長い歴史を持つ地域であり、県内には多くの遺跡や旧跡が残っています。特に重要なものとして、以下の9件が全国重点文物保護単位に指定されています。

禹王城遺址（うおうじょういし）：禹王が築いたとされる城の遺跡
司馬光墓（しばこうのはか）：北宋の政治家・歴史家、司馬光の墓
崔家河墓群（さいかがぼぐん）
大洋泰山廟（たいようたいざんびょう）
西陰村遺跡（せいいんそんいせき）：新石器時代の遺跡
東下馮遺跡（とうかひょういせき）：青銅器時代の遺跡
薛嵩墓（せつすうのはか）
上馮聖母廟（じょうひょうせいぼびょう）
夏県文廟（かけんぶんびょう）

これらの遺跡や文化財は、夏県の豊かな歴史と文化を物語っています。

行政区画

夏県は以下の鎮と郷で構成されています。

鎮: 瑤峰鎮、廟前鎮、裴介鎮、水頭鎮、埝掌鎮、泗交鎮、禹王鎮
郷: 尉郭郷、胡張郷、南大里郷、祁家河郷

出身者

夏県は著名な人物を輩出しています。

司馬光：北宋の政治家・歴史家。『資治通鑑』の編纂者として知られています。
* 李俊：映画監督。

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