夕陽を追いかけて

夕陽を追いかけて

1978年6月20日にリリースされた「夕陽を追いかけて」は、チューリップにとって14枚目のシングルです。この曲は、年月が経つ中で再び故郷を訪れたときの心情や、両親への深い想いを歌っています。シングルとしての発売前にライブでの演奏が行われ、早くから注目を集めていました。

実際、この曲のタイトルは先に決まりました。作曲家でありボーカリストの財津和夫が、東京から福岡へ向かう飛行機の窓から見る風景の中で、夕陽にインスパイアを受けた瞬間に生まれたものです。彼は、「今、夕陽を追いかけている。そして、その先には故郷の福岡がある」と心の中で思い描いていました。

この曲は財津にとって大切な作品であったものの、音楽業界の中であまり求められていないと感じ、ステージでの演奏頻度は徐々に減少していきました。しかし、運命的な瞬間は訪れます。TBS系音楽特番「クリスマスの約束」で同じくアーティストである小田和正がこの曲を歌うことで、財津は再び勇気をもらいました。小田もこの歌に感銘を受けていたため、以降のライブでは度々披露されるようになりました。

また、2012年にはチューリップの40周年を記念したツアーで、夕陽と海のビジュアルがこの楽曲にインスパイアされて用いられました。しかし、残念ながらそのツアーでは実際の演奏は行われませんでした。

この曲は多くの人々から愛され、特に2000年代初頭にはチューリップのエグゼクティブ・プロデューサーを務めていた三枝照夫が、「夕陽を追いかけて」をチューリップの名曲として挙げるなど、高い評価を受けています。さらに、カップリング曲となっている「別れはいつもものわかりがいい」は、財津と姫野達也によるツインボーカルが魅力的です。この曲も同じく財津による作詞および安部俊幸が作曲を担当しています。

歌詞カードには、1978年に行われたコンサート「LIVE ACT TULIP IN SUZURAN」の告知も載せられており、当時の音楽シーンにおいて、このシングルの重要性が示されています。

この「夕陽を追いかけて」は、ただの楽曲ではなく、アーティストとリスナーの間に深い感情を生み出すメッセージを持っており、世代を超えて愛され続けることでしょう。

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