安部俊幸

安部俊幸の音楽キャリアと人生

安部俊幸（あべ としゆき、1950年3月14日生まれ、2014年7月7日没）は、日本の著名な音楽家であり、人気バンド・チューリップのギタリストとして活躍しました。出身は福岡県福岡市で、彼はギターだけでなく、ウクレレやシタールなど多様な楽器も演奏しました。特に愛用していたのはギブソン・ES-335であり、その他にもリッケンバッカーや特注ギターなども使用していました。彼の音楽スタイルには、ビートルズのジョージ・ハリスンから受けた影響が色濃く見受けられます。

来歴と華やかな音楽活動

安部は大学時代に「ハーズメン」を結成し、1971年に財津和夫の誘いでチューリップに参加。その後、1972年にはプロデビューを果たし、初のシングル「魔法の黄色い靴」をリリースしました。特に1973年のシングル「心の旅」がヒットし、チューリップは広く認知されるようになりました。

1985年には「アイ・アイ・アイ」を最後にチューリップを脱退し、その後「オールウェイズ」を結成。安部の脱退はバンドにとって大きな打撃であり、財津は彼に代わるギタリストを見つけられずにバンドが解散に至りました。1986年には「好きさ」やアルバム『ALWAYS BE TRUE』をリリースしたものの、オールウェイズは2015年に活動を休止しました。

1992年には女性3人組のユニット「ヴァージン・リップス」のデビューCDをプロデュースし、1997年からはチューリップの再結成にも参加。1980年以来長らく使用していなかったギブソン・ES-335を再度使い始めました。

音楽活動以外の側面

安部俊幸は作曲や作詞にも才能を発揮し、彼が作詞した歌や作曲した曲の多くがヒットしました。特に「博多っ子純情」は彼と姫野達也とのコンビによる代表作です。安部はコンサートで「九州の都市化の波には悲しさを感じる」と語っていましたが、彼の音楽には地元愛が深く根ざしていました。また、彼はリードボーカルを担当することは少なくなったものの、初期のチューリップ時代には数多くの楽曲でボーカルを務め、ステージでのコメディやパフォーマンスにも秀でた才能を見せました。

言葉のセンスを活かし、エッセイや旅行記などの著作も多数残しています。彼の著書には『ひとりぼっちのアメリカ見聞録』や『ティータイム・トーキング』などがあります。

財津和夫との運命的な出会い

安部は、1971年に博多で財津和夫と偶然出会いました。当時、安部は地元テレビ局のイベントにハーズメンとして出演中で、チューリップの面々から「ビートルズが好きなんだ？」と声をかけられたことが印象に残っていたと言います。この出会いが、彼にとって憧れの人との重要なつながりとなり、音楽キャリアの中での大きな転機となりました。

最晩年と死去

インドに居住していた安部は、2014年7月7日に脳出血により亡くなりました。64歳という若さでの死去であり、葬儀は現地で家族によって行われましたが、その訃報は同年9月に公表されました。彼の遺品にあたるギブソン・ES-335は、チューリップのライブにおいていまだに演奏されています。安部俊幸の音楽的遺産は、今も多くの人々の心に残り続けています。

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