外交問題評議会

外交問題評議会（CFR）

外交問題評議会（Council on Foreign Relations、略称CFR）は、アメリカ合衆国に本部を置くシンクタンクであり、超党派的な組織です。1921年に設立され、国際政治や外交問題を研究・分析し、アメリカの対外政策に対して多大な影響力を持つとされています。本稿ではその設立の背景、活動内容、財源、会員構成、そして批判的見解まで幅広く探っていきます。

設立の背景

外交問題評議会の起源は、第一次世界大戦後の新しい国際秩序を考える知識人グループ「大調査」にまで遡ります。このグループはウッドロウ・ウィルソン大統領の外交ブレーンであるエドワード・マンデル・ハウス大佐によって構成されました。1919年には米英共同の国際問題研究機関を設立することで合意され、英国では王立国際問題研究所（RIIA）が早くも1920年に成立しましたが、米国側では資金不足での設立が進まない中、1921年に「大調査」と「外交問題評議会」が合併し、現在の形に結実しました。会員は米国市民および永住権取得者に限定されています。

主な活動

設立当初からのCFRの目的は、アメリカに影響を及ぼす国際問題について継続的に議論を行うことにあり、特に国民世論を啓発する活動が特徴です。「フォーリン・アフェアーズ」と呼ばれる外交誌の発行や、様々な国際問題についての研究プロジェクトの実施など、多岐にわたる活動を展開しています。第二次世界大戦中には「戦争と平和」に関する研究プロジェクトを組織し、その成果は戦後の国際秩序形成に影響を与えました。

近年では約50名の研究員を擁し、国内外の重要な政策課題に関する研究を進めています。また、CFRは国際問題についての公開講演会を頻繁に開催し、政治家や学者による意見発表を行っています。

財政基盤

CFRの資金源は、会員からの会費や出版物の販売、個人および財団からの寄付で構成されています。特筆すべきは、米国政府からの支援を一切受けていない点です。企業会員からの会費収入が大きな割合を占めており、その収入は安定しています。

会員と関係者

現在、CFRの会員数は約4,000名に上り、政府関係者や企業経営者、学者などが豊富に在籍しています。名誉会長をデイヴィッド・ロックフェラー氏が務め、会長にはリチャード・ハース氏が就任しています。歴代の会員には、ウォルター・リップマンやジョン・フォスター・ダレスなどの著名な政治家が含まれます。また、日本にも多くのCFR関連の著名人が存在することが知られています。

批判的見解

長い歴史の中で、CFRは様々な批判の対象となっています。特に、民主的手続きを無視して国際的に影響力のある政策を決定しているとの指摘があり、陰謀論が広まる一因ともなっています。特に「影の政府」との関連や、外国政府とのつながりを疑う見方が存在しますが、それに対する反論も多く、立証は難しいとされています。

まとめ

外交問題評議会は、アメリカの外交政策において重要な役割を果たし続けています。政治、経済、国際関係に関する知識人の集まりであり、アメリカの大手企業や政府との強いネットワークを持つその存在は、今後も注目され続けるでしょう。CFRの動向は、国際的な情勢の変化に大きく影響するため、今後の展開にも目を光らせる必要があります。

もう一度検索