王立国際問題研究所

英国王立国際問題研究所（チャタム・ハウス）

英国王立国際問題研究所（Royal Institute of International Affairs, RIIA）は、イギリスのシンクタンクであり、チャタム・ハウス（Chatham House）という通称でも知られています。1920年に設立され、ロンドンに本部を置いています。

来歴

第一次世界大戦後のパリ講和会議において、イギリスとアメリカが戦後の世界秩序を主導するという構想が生まれました。その構想を支援するため、両国共同でシンクタンクを設立する計画が持ち上がりました。しかし、アメリカが国際連盟への不参加を決定したため、イギリスは王立国際問題研究所、アメリカは外交問題評議会をそれぞれ独自に設立することになりました。

初期の王立国際問題研究所は、帝国統治に関する研究グループ「ラウンド・テーブル」のメンバーが中心となり、オックスフォード大学を拠点に、アルフレッド・ミルナーの影響を受けた学者たちによって組織されました。その後、アーノルド・J・トインビーが加わり、中心的な役割を担いました。

1932年10月19日には、リットン調査団団長のヴィクター・ブルワー＝リットンが、イギリスの外交官や政治家に対し、満州事変に関する報告書の内容について講演を行いました。

チャタムハウスルール

チャタムハウスルールは、王立国際問題研究所発祥の会議参加者の行為規範です。このルールが適用される会議では、参加者は会議で得られた情報を利用できますが、発言者やその他の参加者の身元を明かすことは禁じられています。このルールによって、参加者は組織への配慮や発言が公表された際の影響を気にせず、活発な議論や情報共有を行うことができます。チャタムハウスルールは1927年に考案され、1992年と2002年に改正されました。王立国際問題研究所主催の会議に限らず、英語圏を中心に広く用いられています。

チャタムハウス賞

チャタムハウス賞は、国際関係の改善に最も貢献した人物や組織を称えるために、毎年授与される賞です。

参考文献

本田毅彦 著「帝国の終焉と結社」、川北稔 編『結社のイギリス史：クラブから帝国まで』山川出版社〈結社の世界史〉、2005年。ISBN 4634444402
加藤陽子『戦争まで　歴史を決めた交渉と日本の失敗』朝日出版社、2016年。ISBN 978-4-255-00940-7。

関連文献

『敗北しつつある大日本帝国―日本敗戦7カ月前の英国王立研究所報告』英国王立国際問題研究所、坂井達朗訳、刀水書房〈刀水歴史全書〉、2007年。ISBN 9784887083615
小原 満穂「シンクタンク (1)－その定義と海外の状況」『情報管理』第33巻第9号、科学技術振興機構、1990年、p.769-784。
佐藤 宣之（英国王立国際問題研究所）「「中部からクールジャパン発信委員会」提言書：中部からクールジャパン発信のためのアクションプラン～輝ける中部・名古屋を目指して～ 」『日本醸造協会誌』第111巻第1号、日本醸造協会、2016年、p.2-13。

関連項目

ビルダーバーグ会議
外交問題評議会

外部リンク

王立国際問題研究所公式サイト（英語）

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